こだまでは、昨年から利用者の健康診断がはじまりました。
ウィキによると『健康診断(けんこうしんだん)とは、診察および各種の検査で健康状態を評価することで健康の維持や疾患の予防・早期発見に役立てるものである』と書かれています。
こだまでも同じ目的のためにはじめた健診ですが、他にもふたつ大きな目的があります。
ひとつは、どんな障がいをもっていても、あたりまえに暮らす社会や地域があってほしい。そんな思いをもって、健康診断は町の中にある単科のクリニックに直接いって、検診をうけることにしています。
もうひとつの目的は、
利用者の中には病院が苦手な人や、行き慣れていない人も多いため、少しでも医療に慣れてもらうことも目的として「無理強いをせず」「今の本人にできること」にとどめ、健診をうけた後に「いけた!」「できた!」といった実感を積み上げていくことです。また来年いけるように、病院に通えるように!との思いを込めて、職員も同行するようにしています。
今日は今年度受診する最後の利用者に同行しました。
健診自体がほぼ初体験といってもいいくらいの方でした。
道中の会話からも、うまくできるか?そんな気持ちがうかがえました。
レントゲンや心電図・・・スムーズに検査をすすめていくことができましたが、採血になると身体の緊張が強くなっていきはじめました。
目の前に起こることに素直に身体が「怖がる」反応をしめしているように見えたので、結局無理をせず、見送ろうと本人と一緒に決めました。
「なれないといけないですね・・・」と苦笑いしながら話してくれました。
私は「そう感じてくれたのなら、OKなのですよ」「また、次の機会もありますから。そんな風に思ってくださいね」
と言葉をかけました。
きっと日頃からいっている病院などでは、緊張も少なかったかもしれないし、スムーズに採血もできたと思います。
でもいろんなところにいって、自分のありのままをみてもらうこと、自分のありのままの姿を、自分自身が知ることは大変有意義なことなのだと私は思っています。
今回の健診でみせたその方の姿は、いつも自分自身と向き合って悩んだり、考えたりすることができる、すばらしい人なのだとあらためてきづかされました。
最後に。健診にご協力いただいた、クリニックの先生や看護師のみなさん。いつもあたたかくひとりひとりの利用者を迎えていただきありがとうございました。私たち支援者にとっても、たくさんの気づきを感じることができる機会となりました。川上