春の夜の訪問者
日もとうに暮れてしまい、早く帰らなきゃと思いながらも
パソコンとにらめっこしていると、
ちいさな音でコンコンと入り口のガラス窓を叩く音が聞こえはじめた。
振り返ると、マスクをした男性らしき人がたっていた。
生活介護はおおきな通り沿いにあるので、たまに訪れる「どこそこの場所、ここからどっちにいったら?」的な人が来たのかと思った。
近くまで行くと、市内の事業所の職員さんだとすぐにわかった。
こだまと併用している利用者さんのことで、
お伝えしたいことがあると、今日の様子をお知らせに来てくれた。
わざわざこんな時間に足を運んでいただきありがとうございますね。
そういいながら、せっかくなので、よかったら入ってください。とお伝えして、即席の情報交換会がはじまった。
時間も時間だったので大変迷惑だったかもしれない。
その職員さんと最近の様子について確認し合い、
あるいは、食事の場面ではどんな様子なのか、
活動ではどんなことをしている?だとか、
こんな時どうしたらいいですか?などなど
短時間ではあったが、つきない話でとっても有意義な時間をすごせたと私は感じた。
それも、私の話をとっても一生懸命聞いてくださったからか。
真剣なまなざし、表情がすばらしいなと感じたからでしょうか。
なにより、1人の利用者に対して、真剣に寄り添い、どうやったらと常に考えている方なのだろうと、見送ってから思いを馳せた。
そんな人だから、こんなに遅くなってでも他の事業所に足を運ぶ、
そんな事ができる人なんだ。
利用者さんにちゃんと向き合っている人。
時間や労力を惜しまない人なのだと、とっても関心した。
この仕事についてまだ3年だそうだ。
いやはや。この真剣な取り組みは。
やばいぞ。私。負けてられん。
いろんなことはあるけど。しんどいと思うこともあるかもしれない。
あなたのそのひたむきさが、利用者のみなさんのいきいきとした笑顔につながっていくのだろうと。そう思えた。
お互いに。がんばりましょう。
川上