僕と奥様と喧嘩と草刈り機

「長靴をすって歩かんでよ。音がするし、泥がおちるでしょーがー。」


「うるさい!長靴はこうやって歩くもんだー。いちいちいちいちうるさいわー。」


ゴールデンウィークの真っ只中、とあるホームセンターで一組の夫婦がはげしいバトルを繰り広げていました。その夫婦とは?

そうです。まさに僕自身とその奥様のことです。


その日は畑で使う草刈り機を購入するために夫婦二人でホームセンターへ来ていました。

草刈り機知識は全くの0。にも関わらず、鬼軍曹の


「お父ちゃん、草刈り機の事詳しい?一緒に来てよさげなやつを選んでよ。」


という質問に対して、ついついカッコつけ萬太郎の僕は


「ああ。ええよ。草刈り機についてはかなり詳しいからな。任せなさい!」


と大見得をきったのでありました。


し、しかし・・・・。ホームセンターに到着したとたんに上記の喧嘩が勃発。

一瞬にして二人の半径30m圏内は重苦しい空気となり状況が一変してしまいました。

そのうえ、草刈り機の知識なんて全くの0です。

販売コーナーに行ったものの、メーカー名さえも知らず、機能についてもなんの事なのかさっぱり。

後ろにはすごい形相で睨みつける鬼軍曹が控えているではありませんかー。

余裕の表情を装いつつも、額にはじっとりと汗がにじみでてきました。

高鳴る鼓動。心臓はバクバクと破裂しそうです。


(よし、メーカーで選ぼう!どれどれ。何があるのかな?)

し、しかし、知った名前のメーカーが1つもないではありませんかー。パニクる渡部。


(マキタ、ゼノア、共立???????全部知らんがな~。

                    リョービコマツは無いんかい!)

と心の中で一人突っ込みをしては決め手の何かを探し続けました。

すると、鬼軍曹から


「お父ちゃん、ここにホンダの草刈り機が展示してあるよ。」

との声かけが・・・・。


(ほ、ほ、ホンダー。あのホンダかー。ひゃっほー。もうこれで決まり!)

と心の中で本音を叫びつつ、お母ちゃんには


「そうそう、ホンダ、ホンダ。探していたんだよ。これで決まり!」

とうそぶいてしまいました。(罪な男。なべっこちゃん❤)


自信満々のドヤ顔でレジへと向かう僕。

これで奥様の僕に対する評価もぐんぐん上昇へと向かうのでしょう。

さきほどまでの半径30m圏内の爆発寸前の空気が軽くなってきたような気がしました。

その空気感についつい調子に乗ってしまった僕は奥様に


「あ、ついでに混合油も買っておくか。混合油だよ。間違えるなよ!草刈り機と言えば混 

 合油だからな。わかったな!よろしくな!」

と得意の知ったかぶりを炸裂しました。

素直に従う奥様。どうも今回は僕の勝ちのようです。えへへへへ。ぺっ!(オードリー春日風に)


レジに向かうと

「店長が試運転をしますので少々御待ち下さい。」

と想定外の待ったがかかりました。


試運転の準備に取りかかる店長。そ、その時です。

「この機械は4サイクルですから今からオイルとガソリンを入れますので

                              少々お待ち下さい。」


(え!ガソリン。いま、ガ・ソ・リ・ンって言ったよな。こ・ん・ご・う ではなくて

 ガソリンだったよな。でえええええええええ~~~~~~)


その後、どうなったのかは、ご想像にお任せいたします。

                      

                        おわりだぜ!ワイルドだろー!

                                   渡部でした

次は田崎さんにつなぎます。