似て非なるものだった

休日。こどもたちのたっての希望をうけ、ゴビウスにでかけた。

宍道湖や中海、周辺の地域から集められた

川や海の生物がお出迎えしてくれた。

大きな水族館のような華やかさはないかもしれないけど、

私たちのまわりにいる生物(とはいっても希少なものもたくさんいた)

を、こうしてまじまじと見る機会はそうそうないなと感じながら、

展示されている水槽の横。説明書きを読みふけっていた。


こどもたちは、身近な生き物だからこそ、親しみもあり、

名前がわかれば、とってもうれしそうで、キラキラさせていた。


久しぶりにタガメをみることができた。

小学生の頃、あのかっこいいフォルムにあこがれたのを思い出した。

タガメは、里親を募って、調査研究などをしているのだとか。

その地道な取り組みがすてきだなと思った。


絶滅が危ぶまれている希少種、本当ならいないはずの外来種なども

みるにつれ、

館内にいる身近な生き物に対して、ただ単に

「かわいいな」「すてきだな」「懐かしいな」と思うだけでなく、

ある種の危機感を感じずにはいられなかった。


安定や調和がはかられている館内の水槽だからこそ見ることができるんだ。

本来なら、自然の中でみつかるものばかりなのに。


その危機感は、館内を出た後の、とてつもない暑さを感じることで

さらに追い討ちをかける。


ここのところの暑さは尋常ではない。

生態系への影響は深刻なものなのではないか。


身近な生き物が、こうした展示用にされていること自体、

自然環境がどんどん変わってきていることへの警鐘を鳴らしているのだ。


ゴビウスの取り組みは、とても興味深い。

華やかな水族館と同列に考え、

「どうも見劣りするな」などと考えていた自分が恥ずかしくなった。


また機会をみつけて子供たちをつれていこうと思う。

川上