先輩から後輩へ

 今日、若い職員に同行する形で、利用者の支援を行った。いつも関わっていた先輩職員が不在の状況。

 その利用者への支援については、数ヶ月かけ、若い職員に支援の方法、誘導の仕方、利用者との距離のとり方などなど、実践の中でひとつひとつ丁寧にレクチャーしていた。

 今日は、その若い職員がはじめて主の担当になり、その利用者を支援した。


私もこれまで、「こうしたほうがいいのでは?」など、支援の方法について、記録のとり方、その場の状況判断や、ひとつの行動についての予測など、一緒に何度も検討をかさねさせてもらった。



半年くらい前に見た状況とは随分変わってきている。


うまく誘導できず、利用者も混乱し、職員も対応に苦慮していたあの頃から比べると、

支援の方法が確立されつつある状況で、利用者の動きは、ものすごくスムーズになっている。


若い職員は、これまでの支援の方法をしっかり頭にたたきこみ、堂々としていて、一度も不安な表情や、うろたえることなく、一日の支援をやりとげた。


家族への一日の報告を終え、利用者を見送った後、

何気ない気持ちで「よおーーがんばったね!」とハイタッチして彼の一日の支援を評価した。


役目を終え、緊張の糸が切れたのか、彼は少し涙をにじませた。

私はすぐに先輩職員に連絡をとり、支援が無事に終わったことを報告した。

二人に話をさせると、うれしくて、ほっとして、うれし泣きをしている。こっちまでもらい泣きしそうになったので、少し場を離れた。



ベテラン職員が支援のあり方を模索し、外部の機関とも連携をとり、いろいろな方の協力をいただきながら、今の支援にまで行き着いた。


その培った支援を、若手職員がしっかり引き継いだ。


そして、その利用者が笑顔で一日を追え、手をふって家路についた。



「今日はよかった」

そう思える一日だった。


もちろん、今日一日の中で、気づいたことや見えてきた課題は山のようにある。

でも、ひとつひとつ着実にステップを踏むことで、また利用者も、職員も成長し続けていきたい。


こだまというチームで仕事をしていて本当によかった。川上