先日仕事が終わって家に帰ると
ジャガイモと大根が入っている段ボールが置いてあった。
どうしたの、と聞くと
「隠岐のおばあさんから」との返事。
80歳になる隠岐の母が、家の前の畑で作っている
野菜を送ってくれた。母にとっては
いつまでたっても、末っ子のままでいるようである。
荷物の中には沢庵漬が2種類一緒に入っていた。
小さいころからの慣例で、
寒くなると畑の大根を抜いて川に運び
みんなで手分けして洗い寒風に晒して
沢庵漬を漬ける。一家での仕事だった。
一人暮らしをしている今は、
漬けものをつけては近所の方や
子どもたちの所に届けるのを喜びにしている。
今夜も食卓に母の沢庵が並んだ。
カリカリと食べていると、ひなちゃんがテーブルの下から
顔をのぞかせて、「ちょうだい」と責めてくる。
いけないと思いながらも、
ひなちゃんに見つめられると断れない。
小さい切れの醤油漬けの沢庵をあげると
「カリカリ」ととっても良い音を出しておいしそうに食べる。
ひなちゃんは犬なのに沢庵を食べたのだ。
それもカリカリとおいしそうに・・・。
山田