不安とともに

これは僕の持論なんですが、人間には【不安係数】というものがあると思うのです。

【不安係数】とは、その時のその人の不安の大きさを数値で表したものの事です。


僕は人と向かい合う時に、その【不安係数】を量る様に心がけていました。

「この人は、今、何について不安なのかなあ?」

「この人は、どのくらいの不安をかかえているのだろうか?」

今では、そんなに意識をしなくても自然と思えるようになりました。

すると、どんなに苦手な人や、表情が理解しづらい人にでも

やさしくなれる時があります。

理解できる時もあります。

もちろん、できないこともありますが

意識しないよりも意識した方がやさしくなれる気がするのです。


自己表現が苦手な人

慣れない場所で本当の自分を出し切れない人

暗く元気のない人

いろいろな人がいろいろな理由で苦しんでいます。


自分は神様、仏様ではないので

すべての人の不安を取り除くような事はできません。

ただし、何らかの縁で出合った人たちには

不安の大きな人ほど手を差し伸べてあげたいといつも思っていますし

実際、やってきたつもりです。

そして、それが自分の喜びとなり、自信にもなってきました。

それを考えると

実は自分が不安係数の大きかった人たちから救ってきてもらったような気がします。


ただし、不安はいつ・どこでも・だれにでも付き合っていかなければならない要素です。完全に取り除くことはできませんし、そのように考えることもありません。

月並みな言い方かもしれませんが、

①不安と向き合う

②不安を自分のスキルアップの為の原動力とする。


五木寛之氏著の「不安の力」にも書いてある様に

【不安と共に生きていく】気持ちを前向きに持つことが大切だと僕は思います。


時には【不安や仕事、人間関係】等

嫌なことから逃げることも必要ですし

逃げる勇気を持つことが一番大切な事も多々ありますが

不安からはどんな方法を使っても逃げようがありません。

だったら、開き直って正面から向き合い、共に生きていくのもありかなと僕は思います。

もちろん、圧倒的なパワーをもって正面突破する方法もなきにしはあらずですが

自分の現在の力加減を読み誤ると

オーバーヒートをおこす場合もあるので、十分に気をつけましょう。


人には本来、湧き出すようなやさしさが心の奥底にあると思います。

それがなかなかだせない時代と思い込んでしまって

多くのみんなは

「他人は他人、みんな冷たい。」と自分の殻に閉じこもっている人が増えていると思います。


その人にはアドバイスがあります。

「人間、なかなか捨てたものではないよ。

諦めずに、少々、嫌なことがあっても

オープンマインドで自分から相手の心の氷を少しずつでいいから融かしていきましょう。

融けた時、本当の相手の姿が見えるはずです。」

  

僕も不安だらけの毎日を送っています。

でも、前向きにとらえようとする気持ちは毎日持つようにしています。

それだけでも気持ちが全然違う。そう思います。

                                  渡部