『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE3 http:// 鷹の爪.jpは永遠に』
研修さきの福岡市で
『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE3 http:// 鷹の爪.jpは永遠に』をみる。
20:40分からのレイトショーで、
お客はわたしをふくめてたった3人だった。
ちょっとさみしい鑑賞風景とはいえ、
気がねなくわらえたし、
ことばがバンバンとびだしてくるので妙にお国自慢をしたい気分になった。
いつものとおり冗談でかためられた作品とはいえ、
うっかりするとそのわらいについていけなくなるので
緊張感と期待感のいりまじった鑑賞となる。
今回のかくれたヒーローは「島根県」だった。
吉田くんが地元にかえろうと緑の窓口でチケットをもとめると、
どうしたわけか「島根県」が地図からきえている。
日本一知名度のひくい県なので、
なくなってもだれも気にしないから
まあいいじゃないか、
みたいに吉田くんはまるめこまれてしまう。
それでは「島根県」はどこにいったのか?
みてのおたのしみ、ということになるが、
これぐらい島根のことを宣伝してくれるのなら
県は、もしくは溝口知事は蛙男商会に高額の宣伝費をはらうべきだろう。
主題歌をうたうのはスーザン=ボイルで、
「ハウルの動く城」よりもややこしそうな
「(レオナルド)博士の動く城」が大迫力でミサイルをうちまくるなど、
みどころ満載の作品だ。
「鷹の爪」は世界征服をもくろむ悪の秘密結社なのだけど、
世界征服をしてどうするかというと、
世界中のひとびとをしあわせにする、
というすごくただしい秘密結社だ。
今回も、おもてむきはいいかっこをする既存の本質的な悪から、
なんだかんだいって最後には地球をすくってくれる。
この「秘密結社鷹の爪」がどれくらい有名かというと、
今回の研修で、
「島根の吉田」として名前をうろうとしたわたしは、
吉田くんのバッチを胸につけ、
自己紹介のたびに「島根の吉田です。吉田くんをしってますか?」
をくりかえした。
そして例の「た~か~の~つ~め~」という
手首をふる「きめポーズ」をしてみせるのだけど、
およそ10人のうち2人しか
「秘密結社鷹の爪」のことをしらない、という結果におわった。
わらいのセンスは第1級であり、
島根の宣伝にもなるので
ぜひ大ヒットしてロングラン上映してほしいけど、
人口120万人の福岡市でたった3人とは先ゆきが心配だ。
地元の松江サティでのお客のいりは大丈夫だろうか
(小学6年生のむすこはともだち4人とみにゆき、
「すごくおもしろかった」という感想をきかせてくれた)。
島根を愛し、世界中のひとびとのしあわせをねがうひとは、
ぜひ映画館に足をはこんでほしい。
(吉田 淳)