久ぶりの本やさん・・・

 9月のはじめだったと思いますが隠岐の作業所時代から懇意にしてもらっている広島の施設職員

(今は嘱託職員で自由な身分らしい、うらやましい限り)の方が来られて、一緒に食事をしました。

そのときに本の紹介を受けていたので、久しぶりに田和山の今井書店に入りました。本当に久ぶりの本屋さんです。

 本屋さんと文具やさんが大好きで2~3年前までは仕事の帰りにいつも寄ってたのに、

子供たちが大学・高校になってくると減らされるのはお父ちゃんの小遣いでした。

そんな訳で、寄ればきっと欲しくなってしまうのでここのところ遠ざかっていました。

でも紹介された本は是非読んで置かないといけないと思い立ち寄ったのでした。

 ところが、目的の本は何処を探しても見つかりませんでした。

そのかわり『粘土でにゃにゅにょ』という本が目に止まりました。

新書コーナーに並んでいる沢山の本の中で、そのタイトルは輝いて見えました。

早速手に取ってみると、滋賀県の第2びわこ学園の陶芸指導をしていた職員の方が書いた本でした。

第2びわこ学園といえば近江学園と並んで日本の障害者福祉に大きな影響を与えた施設です。

重症心身障害児施設の草分け施設です。パラパラとめくってみると、

田村一二とか糸賀一雄、岡崎英彦など知った名前が出てきます。

そして写真も利用者の方が作った粘土の人形や握ったままの形で

焼き上げられた作品が作者の制作風景と共に載っていました。

最近では、実践書が少なくなってきているので早速買って帰りました。

 するとやっぱり障害の重い方たちに、

どのようにして粘土作りをしてきたかという過程が紹介されていました。

寝たきりの人に、目の見えない人に、多動だったり自閉症の方に

それぞれ興味を引くように工夫をして実践されていました。

はじめは粘土に手を出さなかった方が、次に来たときには手を出し

体全体で喜びを表現している姿が紹介されていました。

 何も出来ないと言われていた重症心身障害児の方たちが粘土を通じて喜びを見つけ、

自己実現をしていく様子がいきいきと書かれていて

滅多に夜は本を読まなくなったのに、老眼鏡をかけて一気に読み進みました。

 マンネリ化してきている頭を解きほぐすには

実践を紹介した本はいいなー!とつくづく感じた秋の一夜でした。

                         老眼鏡の必要な山田