コソボでなにがおきているか

2月17日にコソボ自治州が独立を宣言した。

ネットや新聞でよむかぎり、

セルビアからしいたげられてきたコソボの民衆が、

抑圧からの開放をよろこぶ、

という図式になっている。

ミロシェビッチセルビア大統領が、

あまりにもひどい悪役ぶりを発揮していたので、

セルビアは世界中からすっかりきらわれものになってしまった。


しかし、木村元彦氏の本をよんでみると、

じっさいにはコソボにいるセルビア人が、

多数派であるアルバニア系の住民から迫害をうけている、

という状況が報告されている。


このことをしったとき、

コソボでのできごとを、

どこかしらないとおくの国でおこっていること、

と無関心でいたことが、

どれだけはずかしい態度だったかをおもった。

おなじ国にすみながら、いっぽうは迫害におびえ、

他方は「正義」を名目に自分たちの利益をおいもとめる。

裏では例によってアメリカ合衆国がすきなように小国をあやつり、

そしてとおくで傍観をきめこむ無責任な自分。


しらないことは、はずかしいことなのだ。

そして、もちろんそれはコソボだけにかぎったことではない。

そのことでだれがかなしいおもいをし、

だれがよろこぶか。

大国の情報操作にのせられない、

批判的で正確な目をやしないたい。

(吉田 淳)