我が家の年中行事
小さい頃の年末年始は、学校が休みになってお正月の準備をしていくというのが慣例になっていた。
秋の収穫が終わると冬の間父は島内の造り酒屋にすみこみで酒造りに出かけていた。
そのためお正月の餅つきは残された母と子供の役割になっていた。
毎年12月30日が餅つきの日になっていて、隣の本家と我が家の二軒分をつく。
小さい頃には従兄弟や兄がついていたが、小学校の四年生ぐらいから従兄弟や兄が就職するようになって、
餅をつくのは1人になってしまった。どれくらいついていたかよく覚えていないが、
半日かけてなん臼もの餅をついていた。
その餅つきで使っていたのが大きな立派な臼だ。ケヤキの木で出来ていて黒光りするほどよく磨かれていた。
いつも庭に隅に置いてあって動かすには二人がかりでやっとだった。
自分の家の物ではないのに、この臼で餅をつくことが自慢だった。
そして毎年、この臼で餅をつくとお正月がきたなー!と思う瞬間だった。
そんな子供の頃の体験が、我が家の年中行事に餅つきをすることになった訳かもしれない。
我々二人、親としては完全に失格状態(特に自分は)だと思っているが、
それでも毎年家族全員で続けていける行事として、餅つきをしている。
小さい頃の大きな臼にはとうてい及ばないが小さな臼を大社の吉やさんに頼んで作ってもらった。
我が家の宝物になっている。
今年も、昨日家族がそろって餅つきをした。年頃のなった娘たちも楽しそうだった。
これから先、家族が増えてもみんなで続けていきたい年中行事である。
昔を懐かしむようになった山田