ポケットの中の戦争

屋台村が終わってホッと一息ついている山本です。

関係者の皆様、お疲れ様でした。

屋台村の話は齋藤さんが書いてくれたので、今日は趣味の話でもしようと思います。

私は「機動戦士ガンダム」シリーズの大ファンです。
幼い頃から食玩フィギュアやガンプラが好きで、「ものづくりが好き」という理由から建設業に就職しました。
(通っていたのは文系の学部で、今となってはなんじゃそりゃという理由ですが)

ガンダムは特に女性や子供からするととっつきにくそうなイメージがあると思います。
そこで今回は布教のためガンダムシリーズの魅力を、1stガンダムの物語をベースに語りたいと思います。

量産機がかっこいい

従来のロボットアニメは、特定の一機が特別な存在で、そのロボットを主人公が操縦して
地球外生命体や敵対するロボットを倒すというものでした。

しかしガンダムでは限りなくリアルな戦争を描いています。
現実世界で言う戦闘機や戦車のように、量産型ロボットが通常兵器として運用されているのです。
よく皆さんが目にされる、緑色をしたモビルスーツ、ジオンのザクなんかがまさにそうですね。

これの何がいいのかというと、無骨なデザインで徒党を組み行動する様がいかにも軍隊のようで、
その先にあるハードな命の駆け引きが男心を擽るのです。

善悪のボーダーレス

前述した通り、ガンダムで描かれているのは戦争ですが、単純な勧善懲悪の話ではないところがこの作品の魅力です。

地球の環境汚染により宇宙移民が進んだ世界において、地球連邦が地球からスペースコロニー(宇宙移民が住んでいる施設)
を圧政で支配します。これにより
コロニーで独立の機運が高まり、これらを先導するジオン公国がついに地球へ戦争を仕掛けます。

この筋書きを見る限りはスペースコロニー側に大義がありそうですが、
主人公のアムロと搭乗機のガンダムが所属するのは地球連邦軍です。
物語において、スペースコロニー側のジオン軍は敵対者になります。
ジオン軍スペースノイドの独立開放のために戦い、地球軍も家族や友人、大切なものを守るため戦います。
現実の戦争のように、どちらが正義なのかは一言では語れず、
単純な図式ではないことに、現実社会の難しさが投影されています。

人間は争いをする生き物?

勘違いしていただきたくないのが、ガンダムは戦争を賛美しているものではなく、ガンダム好きも戦争が好きなわけではないです。
そこで起きる豊かな人間ドラマや、敵味方問わず魅力的なキャラクターが視聴者の心を揺さぶり、実に面白いわけです。
大抵の作品は傷つけあった先に「こんなことをしても何も残らない」と最終的に話し合いのテーブルに着きます。

社会心理学的に、内集団バイアスによって人間は争いをしてしまう生き物です。
しかしそうなった場合、ただ自己利益のために相手を傷つけていいのか?
傷つけられたから、怒りに任せて傷つけ返していいのか?
人同士で傷つけ合う戦争がテーマなんだけれども、本質として人は相手の立場を思いやって話し合いで解決できる力を持っているよね…。
…と、希望を見出せるのがこの作品の素晴らしいところです。

ハードなテーマだからこそ美しいドラマが生まれ、それをみた視聴者も心を動かされる…。それがガンダムだと思っています。

皆さんもぜひ、大切な人と一緒に観てみてください。ちょっぴり、人に優しくなれると思います。

次はちょっぴり優しくてちょっぴり面白い、そんな渡部さんです。