2022年 春の風景

 こだまへの通勤は公共交通機関を使っています。

 

 4月の初め、行きの列車の中はフレッシュなメンバーを迎えました。

 明らかに昨年度は就活に使用したと思われるスーツを身にまとい、真新しい手さげかばんや使い古したリュックサックを背負っている青年たちです。濃紺のスーツを着ていますが、足元を見るとニューバランスアディダスコンバースといったスニーカーを履いていて、そこに初々しさを感じてしまいます。電車に揺られながら、宍道湖を眺めていたり、ワイヤレスイヤホンをしながらスマートフォンを見ている風景からは、これからの新しい生活への緊張感が漂っています。

 

 帰りも今までとは違う風景が広がっています。

 今までほとんど姿を見せなかった駅員さんたちがみんなの様子をうかがっています。定期券を買いたい人や、通学に初めて「ICOCA」を使う高校生や学生らしき人たちが話しかけています。

 列車も種類が変わり、座席が増えた分、吊革につかまっていられるスペースが狭くなりました。しかし、乗ってくる客は今まで以上です。まだ部活動に入っていない高校1年生らしき集団であふれています。英語やポルトガル語が飛び交っている場面にも出会います。ほっとした表情や少しお疲れな表情の青年たちも乗っています。座る余裕もなく、少しでも空間を有効利用するため、やむを終えずリュックは前で背負い(?)ます。

 

 確かに、通勤の時、季節を通して変わらない風景もたくさんあります。

 

 船の上からじょれんをひいて行う宍道湖シジミ

 今にも着陸しそうなボーイング737-800

 到着2分前に「列車の遅れを連絡します。ただいま5分遅れて運転しています。」という駅の放送。

 反対ホームの目の前に必ず毎日いるサラリーマン

 

 しかし、季節の変化を見つけるとき、とても気持ちが新鮮になるのです。

 

 玉湯の桜も葉桜となり、日差しが強い日も出てきました。こだまに向かう途中にある、建設中のテナントビルも完成間近です。そして、踏切を過ぎると光り輝くグループホームの建物が見えてきます。職員が動いている姿が川をはさんでよく見えます。

 新しい生活はいろんな場所で始まっています。

 今、グループホームから森山さんが出てきました。明日よろしくお願いします。