運をためる
『重版出来』というマンガ原作のテレビドラマがある。
放映当時は、数回しかみれなかったのだが、
ネット配信がはじまり、ことあるたびにくりかえし見ている。
ドラマは、マンガ雑誌の編集者を中心としたストーリー。
雑誌の編集部から、漫画家やそれを取り巻く人々が
世に出るべきマンガを、全力で応援するひたむきな
様子が描かれている。
その中で、運をためるというエピソードがとっても好きだ。
幼少~青年時代に辛く、荒れた経験をしてきた出版社の社長が
人助けをしたり、募金をしたり、ゴミをひろったり
人のためになるような行為を大切にしている。
それらの行為が、すべて「運をためる」ためなのだ。
社長になった今、酒や博打をせず、
しょうもないところで運をつかわないよう、
本当に質素な生活を送り、必要最低限の暮らしを維持する。
そのことを知って、副編集長がおなじように
運をためるように、善や徳をつめるような行為を
かかさずおこなっているのだ
ためた運の使い道は、自分の勝ちたいと思うところに使いたい。
かれらは、仕事にその運をつぎこみたいと考えている。
すばらしいマンガが世に出て
多くの人々に読まれ、感動させ、売れていくことを望んでいる。
ここぞというところで、その貯めた「運」を使いこなしたいと
願っているのだ。
私は「常によい行いをする」っていうのは、そうそうできない。
楽をしたいと思うし、愚痴だっていう、善をつむとはほど遠いときも
あると感じてしまえば、運をすてたようなもんだから、
はあとため息もでる。
そんなときは、いつもこのドラマを思い返し、
自分にできることを一生懸命やりたいと思い返す。
人生仕事が、すべてではないと人はいうかもしれない。
でも仕事って、人生の多くをしめている。
自分の仕事に対して誇りをもつことや胸をはれるようになるってことは、
すばらしいことだとこのドラマが教えてくれた。
仕事を通じて、自分を育てる。人となる。
そういうのが、心を育てるってことなのかもしれませんね。
川上