~おんせんへいこう~

今年の夏からある利用者さんと移動支援で温泉に行っています。

その利用者さんと初めて温泉に行く事になった日

正直、大丈夫だろうか?と不安になったのを覚えています。

なぜなら、、移動支援でも、入れる建物やトイレなど

比較的限定されていて利用者さんにとって心地よくない場所

に行くと声が出たり、急いでその場を立ち去ろうとされる事が多かっ

たからです。

家族の方から温泉や入浴時のお話しを伺った時、、、とりあえず無理

なくまずは、入浴施設の中に入れたら良いかなと思いました。

初めての日は『大きなお風呂に入りますよ』(お母さんもそう伝えて

下さっていたので)と事前に伝え昼食も買っていざっ入浴施設にGO

~~

どうだろう・・・と思いながら入り口のドアから中に入りました。

初めての場を確認するかのように指先でチョンチョンと触れ外ではな

く靴箱に向かわれた時『良かった~~』と心の声が出ました。

その後大きな声が出る事もなく施設内に入れ休憩室でお昼を食べる事

も出来ました。

ロッカーの鍵を借りていよいよお風呂へ

脱衣場ではロッカーを背にして出来るだけ落ち着ける場所を選んで

温泉に入る準備をされているのがよく分かりました。

『大きなお風呂に行きますよ』と声をかけ洗い場にいき

頭から身体とゆっくりと洗っていきました。

全てを洗い終わった時、、、『大きなお風呂に入りましょうか?』

と声をかけると出入口付近で一度止まられたのですが、、、

しばらくして素早く脱衣場に出られました。

かなり頑張られていたのだろうなとも思えました。

建物の中に入れた事、しっかりと全身を洗えたこと、そしてドライヤ

ーも出来た事。

久しぶりの温泉でこれだけの体験が出来たことは、ガイドをさせて

いただいた私にとっても非常に嬉しい出来事でした。

あれから数回一緒に外食をしてから入浴施設に向かうように

なりました。(先週は、入れなかった所もありましたが)

今日は、少し冒険でキャスパルのフードコートに行って

昼食をとりました。

(お母さんにお伝えし『行かれた事はありますか?』と聞くと・・

『子どもの頃に』との事)

トイレも建物も入れる場所が少しずつ増えてきています。

『世界が拡がる』(大袈裟かも)という体験を共に出来る事が

本当にありがたいなと思いました。

ゆっくりゆっくり積み重ねる事で、新しい扉を開けることが出来る

焦らずゆっくりいつか湯船につかれる日を夢見て。

※温泉の受付の方と帰る間際に今日のふりかえりをさせていただく事が日課になりつつある近藤でした。