「老け顔」に生まれて

先日の大晦日の出来事。僕は八雲の熊野温泉にいました。


「あんた、高田さんだよね。ほら、やっぱり、高田さんだわ。」


露天風呂の隅っこでストレッチ体操に勤しんでいた僕に対して

突然、隣で風呂議談で盛り上がっていたお爺さん集団の一人から声をかけられました。

『え!僕の事ですか?』


突然の呼びかけに、動揺を隠しきれない僕を尻目に

「高田さん、高田さん、久しぶりだなー。」


と完全にお爺さんのペースで話を畳み掛けられました。

『いやいや、すいませんが、僕は高田ではなく、渡部と申します。

 どうも僕にそっくりな人とお間違えのようですね。』


すると、とても悲しそうな表情で

「本当かの~。高田さんではないのか~。いや~よく似ているけどなー。」


あまりにも悲しそうなお爺さんの表情を見て、僕は自然と次の言葉が口をつきました。

『あ、そういえば、何度か、高田さんと間違えられた事がありますよ。

 どうもその方と瓜二つなようですね。僕もその方に一度会ってみたいと思っていたんですよ。』


すると、お爺さんはにっこりと笑顔となり、元気トークが復活しました。

そして、次の質問を突然投げかけられたのです。

「あんたは、玉突きはやっとるのか?」


『え、玉突きですか?』


その言葉を聞いた直後は、何の意味なのか分からなかったのですが

しばらくすると気がついたのです。

(あ、パチンコの事か!)と・・・。


『あ、パチンコの事ですね。いや~僕はギャンブルはやらないんですよー。』


すると、すかさずお爺さん。

「違うわね。玉打の事だがね。ゲートボールの事だがねー。」


(え、うそでしょ。)


ま、まさかのゲートボール世代に見間違えられるとは!

何の躊躇いもなく放たれたそのお言葉がナベちゃんの心にグッサリと突き刺さりました。

(ま、まーじーーーーーーーーーー)


『あ、あのー。高田さんは何歳ぐらいのお方ですか?』

「あ、高田さんは50はとうに過ぎちょるよ。うむ、あんたは何歳になるのかね?」

『あのー44歳になります。』

「え!44歳。うわー老けた顔しとるねー。わははっははっは」

すると、調子をこいて隣にいたお爺さんも

「いやー40代には見えらんねー。苦労しとるねー。」


すると温泉議談集団の他のメンバーからも一斉に笑いがおこりました。


『へへへへへへへへへへ』

と何とも言えぬ作り笑顔を浮かべるナベちゃんでした。


この記念すべき2014年の最後の締めくくりの日にたくさんの大先輩方が笑ってくれた事実は最高の想い出となりそうです。

(老け顔で良かったバイ)としみじみ感じたポジティブナベちゃんでありました。

お・わ・り

                         渡部でした。今年もよろしくお願いします。


次は「焼酎大好き男」の田崎さんです。