「おひさま」が教えてくれたこと

NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」が人気だ。

太平洋戦争真っ只中の昭和初期、

ひとりの女性の視点でとらえた

戦時中の家族、友人、恋人との関係や想いを通して

「生きる」意味を語りかけてくれる内容となっている。


決して暗くなるような話ではない。

反対に

いかに平和を何不自由なく謳歌している多くの現代人たちに

家族や友人、そして恋人等、人との愛情や絆の大切さ、すばらしさについて

戦時中という難題の時代設定の中で語りかけてくれる奥の深いドラマだ。


「生きる」意味のヒントが多々あり

何か日常生活で生きにくさを感じて苦しんでいる人には

ぜひお勧めしたい。


内容もさることながら

俳優陣がすばらしい演技を見せてくれている。

主役の井上真央もすばらしいのだが

特にお勧めは友人役の満島ひかりの演技だ。

演技と表現するのも失礼なくらいに心が揺さぶられた。

思うように夢が叶わずに

東京で苦しい生活を送っていた郁子が

友人たちに心配をかけまいと

「仕事は順調よ。」

と嘘をつき明るく振る舞うけなげな姿の演技に

心からジーンと熱いものが込み上げてきた。

今後も注目したい女優である。


そして、もう一つ、このドラマを見て

東日本大震災の被災者の事を思った。

「おひさま」では

主役の陽子の家族や友人、そして恋人等

多くの登場男性に国からの召集令状が送られてきた時のシーンがある。

当時の人はみな、死を覚悟しつつも

その恐怖や不安を自分の胸の内に押しやり

戦地に出向いたのであろう。

奇跡的に帰還できた人たちも

過酷で地獄のような惨状を体験し

心に大きな傷を負ってしまった人も多かったに違いない。

しかし、多くの人たちが家族や友人の支えにより立ち直り

そして戦後の奇跡的な日本の復興を成し遂げていった。


まさに

今回の東日本大震災の被災者の多くの方と共通する状況ではないだろうか。

深い悲しみの中に負った心の傷はそう簡単には癒えないかもしれない。

でも、それを克服した人は、大きな大きな人間力を手に入れ

東日本の復興実現の中心人物になるような気がする。

いや、東日本のみならず

将来の日本の再生を実現するための中心的な存在となっていくだろう。

その為には、

僕たちのように災害をま逃れた人たちが

不安と悲しみで苦しんでいる被災者の人たちに

「人の絆のすばらしさ」

を感じてもらえるような運動や取り組みをしていかなければいけない。

被災者のみなさんが

希望を失わないように

僕たちも同じような気持ちで

被災地の復興支援を続けていかなければいけないと思う。

                                 渡部