山田家の自立物語 (1)

 今日から由美子先生が長期の休暇に入ったため、

山田家の住人達は、「由美子先生からの自立」をせざるをえなくなった。

いつもなら、隠岐のおばあさんが来てくれるところだが、

80歳になったおばあさんにいつまでも頼るのはやめよう!と住人達は決めた。

「なんとか、自分たちでやっていこう」と覚悟をきめ、

2週間前から、自分の弁当は自分で詰めることになって、定着した。

やればできる、と思ったものの毎日同じようなお弁当になりそうな気配だ。


そして、夕御飯の準備も当番制にして、先日曜日決めをした。

子供たちから抵抗が出てくるかな、と思っていたが割とすんなりと受け入れ、

週2回の当番がまわってくることになった。

ありがたいことに、ホームヘルプの仕事に出させてもらうようになって

少しづつ包丁が使えるようになり、スーパーの売り場で欲しいものをいつまでも探し回らなくてもよくなった。

本当にありがたい。

この際だから、今まで作ったこともないような料理をレシピを見ながら取り組みたいと思っている。

神様は、こんな試練が来る事を知っていてホームヘルパーになりなさい。と言ってくれたのかな・・・。




ひとつ心配なのが、ペットの『ひなチャン』のことである。

ここのところ、由美子先生が大好きになり夕方になると

忠犬ひなチャンになって、玄関で由美子先生の帰りを待っているようになっていた。

こんなひなちゃんに、由美子先生の分まで愛情を注いであげようと、

残された住人達は覚悟をきめている。