エコ通勤手あて

「エコ通勤手あて」が今年度から設定された。

自動車をつかわないで通勤をすると、

5000円がしはらわれる。

もちろんこだまにも「通勤手あて」の制度があり、

自宅からこだままでの距離によって

金額がふえるよう配慮されている。


しかし、いっけんもっともらしいこの手あては、

じつは地球環境にとっては反対のことをしているのではないか、

というのが「エコ通勤手あて」の趣旨といえる。

とおくからおおくのエネルギーをつかって職場にかようことは、

距離がながくなればなるほど環境のためにはマイナスだ。

それにたいし手あてを設定し、

補助するというのは20世紀の発想である。

地球環境のことをいうなら

できるだけエネルギーをつかわない通勤こそを

奨励しなければならないのである。


それでは車をつかわなければならない

遠距離通勤の職員はよくないのか、と問われれば、

究極的にはそのとおり、よくないのである。

地産地消とおなじ意味で、

おなじ町内ではたらくぐらいの勤労が

地球のためであり、ながい目でみれば人類のためである。

グローバルの反対のかんがえ方が、

じつはいまもっともグローバル、

というおもしろい現象だ。


環境に考慮しない活動は

結局は自分の首をしめる。

人類はやっとそのことに気づいた。

議論の時代はすぎ、いまは実践のときである。


というわけで、

自宅からこだままで1キロにすぎず、

ずっと通勤手あてなしだったわたしが、

4月からもっともらしく5000円を手にすることができるようになった。

いまのところ「エコ通勤手あて」をうけとっているのは理事長とわたしだけ、

というのがちょっとうさんくさいけど、

いかにもこだまらしい「エコ通勤手あて」を

こんどの給料日にもありがたくいただく。

こだらましいすてきな制度に乾杯。

(吉田 淳)