老眼鏡をかけながら・・・

 まだまだと、目を細め本に向かっている。ところが夜になると、本の字が2重3重に映ってくる。

こうなったら本は読めない。そんなこんなでここのところ本を読む機会がめっきり減ってきていたが、

先日本屋さんに行って偶然見つけた本に夢中になった。

一冊は「荷馬車挽の娘の手記」もう一冊が「負けてたまるか」と言う本だった。

「荷馬車挽の娘の手記」は益田出身の方が昭和初期の生活を書いているもの、

「負けてたまるか」は浜田出身の方が太平洋戦争前後を書いている。

 どちらも自分の親の世代の小さい頃を描写しているようでとても興味深かった。

特に、「負けてたまるか」の作者の方は母と同じ歳に生まれている。

 小さい頃、母から聞いた戦争当時の話と同じだった。

母は、自分の小さい頃の話から、結婚した当時の事や子供が小さかった頃の話を

おもしろおかしく良く話してくれた。

 ところが父はあまり小さい頃の話をしてくれなかった。

父の事は母を通じて断片的に聞くことが多かった。

そんな父が一度だけ自分の生い立ちを話してくれた事がある。

亡くなる前に病院のベッドで話はじめた。

小さい頃を懐かしんだのか初めて聞く事が多かった。

 今回の2冊の本は、そんな両親の生きた昭和の時代を

子供の目線で描いてあってより興味深かった。

いつもは使わない老眼鏡をかけて一気に読んだ。

            

              山田