リンゴって、うさぎや!

 2008年が始まって10日が過ぎた。年末の餅つき、初詣と家族みんなで過ごすことができ、

夕食を家族そろって食べる光景に『今年のお正月はいいね』とおもわず口ずさんだ。

しかし2日の朝には長女はもう帰ってしまった。


そろそろ、子離れをしないといけない時期なのかもしれない。


 ところで、夕ご飯の後に由美子先生がリンゴを出してくれた。

大学の時に気になった本のタイトルが『リンゴって、うさぎや』だった。

生協の本やさんの棚で見つけタイトルに何だろうと思わせられ、手に取った。

するとその本は、福井達雨と言う方が書いた重度の知的障害児の施設生活の様子だった。

自身が開設運営する止揚学園の生活を紹介してあるもので、

子供をどんなに大切にしているかというたとえに

保母さんが夕食のデザートにリンゴを出すときなど、

そのまま切って出すのでなく可愛いうさぎのように皮を剥いて毎回出している。

それを見ている子供たちは、『リンゴって、うさぎや』と言っている、と言う紹介だった。

まだ他にも施設での生活の紹介や重度障害者を地域の学校に通わせていることなども書いてあった。

 それ以来、将来施設で働きたいと思っていたので、福井達雨の本を次々に呼んだ。

もともと神学を修め牧師であることから職員としてこうあるべき、と言うことが優しく書いてあった。

止揚学園では花瓶が一日同じところにない。どうしてかと思って見ていると日が当たっているところに

保母さんが移動していたとうことだった。なぜかと聞いてみると、花も太陽の光を浴びたほうが輝いて見えるから、

と言う答え。(たぶん、こんな内容だった)

30年たった今でも本棚に並んでいる一冊になっている。

やっぱり昔を懐かしむ山田