15年ぶりの再会

ある日の夕方、こだまにてみんなでわいわい雑談していました。

なぜだか怖い話かなにかになった時、楳図かずおの話題になりました。

私はその話に飛びつきました。自分でもわかるくらい目を輝かせて。


そう、私は楳図かずおの漫画大好きなのです。たぶんその場に居た人は「川上さん、どうかしたの?そんなに興奮して~、一人でしゃべっているよ・・・」などと思ってたと思います。


中学~高校くらいから楳図かずおの漫画を読みあさっていました。

特に「漂流教室」が大好きで、今のように中古本屋などがないころに、中学時代にやっとこさ3巻までみつけ、高校時代に友人から古本屋で全11巻見つけた!と知らされ、買いにいったときは、こだまで話したときと同じくらい目を輝かせたのを今でも覚えています。


たくさんの漫画や本に出会いましたが、この「漂流教室」と手塚治虫の「火の鳥」は私の人生観に大きく影響したのではと今でも思っています。


あれから15年以上が経ち、先日ふらふらと本屋にいってなんかおもしろそうな漫画ないかなと物色していたら、なんと!「漂流教室 完全版」なるものがあるではありませんか!!!

未公開のカットやページも収録された豪華版で全3巻。まだ2巻までしか出ていないらしいですが、早速1巻だけ(高いので)買って、読み返しました。


ネタばれは厳禁ですので、どんな話なのかはまったくもって書きません。そして人によってはかなりショッキングな表現も含まれています。楳図かずおと聞いて拒否反応が出る人もいるでしょう。

それでも冒頭だけでも涙が出そうになります。何がすばらしいかって、物語は残酷極まりないのに、美しいのです。人の感情、喜怒哀楽がすべて詰まっているからでしょうか。

人が「美しい」と思うのは何も単に綺麗なものや、べっぴんさんを見た時だけではありません。どんなに過酷な状況であれ、後悔しても、信念やひたむきさがあらわれたときの「美しさ」にはかなわないものがあります。


しばらく私の頭の中は「漂流教室」モードになって彷徨っていると思います。

ぼうっとしている時はたぶんその時です。放っておいてください。


追伸 

大学時代の友人 S・Tさんへ

もしこのブログをみていたら、あなたに貸したままの「漂流教室オリジナル5巻から11巻、お願いですから返してください。本当にお願いします。

ぐわし川上でした。