読書の秋だね。

 最近、本をたくさん読むようになった。以前は仕事のために読む専門書や制度の本がほとんどだったのだが、

最近は自分の余暇のために好きな本を読む。正直、もっと若い時から本を読めばよかったと悔やんでいる。

そうすれば、もっと違う視点で世の中を見据え、より充実した人生が送れたのではないかと思うからだ。


 僕の好きな本は、自己啓発本とノンフィクション作品。自己啓発本加藤諦三氏の作品はほとんど

読んだのだが、最近、伊藤さんの推薦で斉藤茂太氏の作品も読んでみた。感想は、加藤氏と比べてソフト

な文章で確かに読みやすかった。ただ、加藤氏は善悪(白黒)を区別したうえで読者に「善に向かう努

力をしよう。」という力強い訴えに対して、斉藤氏は「本来の性格のままプラス思考になれば、全ての

人は救われる。」という考えであり、加藤氏の考えとは少し違うような気がした。


 最近読んだ本はウィリー・ラム氏著「新皇帝・胡錦濤の正体」と上杉隆氏著「官邸崩壊」の2冊だ。

僕は政治ものと人物伝が大好きなので、この2ジャンルが含まれた今回の2作品を選んだ。

中国は世界最大人口13億人を誇る超大国。公式発表がそうなのだから、本来はもっと多くの人口

にちがいない。また歴史が深く、思想や言葉の違い、また学歴や貧富の差も激しいこの国を統括する

リーダーとはどのような人物なのか?とたいへん興味があった。

ただ、ラム氏によると「胡錦濤はまだ本当の自分の正体を国際社会はもちろん、一部の側近以外を除いて

はほとんどの同志にも見せていない。」と・・。

できればプーチンではなく、中国のゴルバチョフであってほしいと願う。


 「官邸崩壊」は安部政権の誕生から崩壊までを克明に書いた作品であり、安部元首相の苦悩がよく伝わ

ってきた。上杉氏は「安部氏は純粋すぎた。一度心を許した人を二度とは裏切れない人。そこが小泉元

首相と大きく違う点である。」とのべている。どちらがいいかは別として、安部氏は首相の器ではなか

ったのだ。悪いのはそれを見抜けなかった(いや、最初からわかっていたのかもしれない。)周りの人間

ではないか。選挙用のマスコットとして利用された安部元首相。僕は純粋で拉致被害者問題に対して真摯

な態度で取り組んできた安部氏を応援してきたし、今でも好きである。今後は大局ではないにしろ、地道

な活動を続けて国民の力になってほしい。

 本当にお疲れ様でした安部さん。しばらくはゆっくりとお休みください。

                                         渡部