かんちがい

末娘がパンジーの苗をもって家にかえってきた。

学校で渡され、家で育てるよう先生から伝えられたようだ。


その日、嫁と一緒に犬の散歩にでたそうだ。

道ばたにパンジーの花がさいているのをみかけ、

末娘は、

「あ、チンパンジーの花だ!」

「おかあさん、チンパンジーの花だよ!」と連呼したそうだ。


「え?なんの花?」と嫁が聞き返したり、

「ほんとうにそうなの?」と何度も嫁が確認するが、

ずっと

チンパンジー」とくり返していたそうだ。

もう彼女にとっては、

パンジーチンパンジーなのだ。

しかも花の「つぼみ」は、「つもび」だったらしい。

もうここまでいくとたいしたもんだ。



末娘は、かんちがいや思い込みで

うっかりすることが多い。

国語のイラスト付きのマス埋め問題で

「きゅうり」を「ちょうり」と記入したこともある。


パンジーチンパンジーが違うことがわかり

「チンがついてしまった」と照れ笑いしていた。


天然全開の末娘よ。そのまま大きくなってくれ。

そして、周りの人をえがおでつつんでくれ。

いちどの失敗でも、次はある。

笑ってすごせる。そのほうがいい。

川上