しきりなおし

今日は当初の予定を変更して、湖北ファームでの活動でした。

収穫した後の畑に石灰を混ぜて、次回の収穫に向けての下準備をしました。

今度は何を植えようかなぁと、みんなが思案中です。


昼食は休憩室を使って、みんなで一緒に食べました。

座敷に上がって食べる利用者さんが多い中、僕の担当した利用者さんは椅子に座って食事です。

椅子の足が若干高いのか利用者さんのかかとが床につかず、いつもと違う雰囲気に軽い不快感を示されました。

一抹の不安を抱えながら食事を開始しましたが、案の定「いらない」と拒否が続きました。

しばらく利用者さんと僕の攻防が繰り広げられましたが、食べてくれる気配は一向にありません。

「腹が減っては戦はできぬ」

と言いますので、利用者さんには申し訳なさを感じながら先に食べることにしました。

パンを食べながら「どうしたら食べてくれるかなぁ」と考えながら策を練りました。

食べ終えてから、ちょうどトイレに行く時間になったのでトイレに行きました。

食事中にトイレに行くなんて行儀が悪いと思うひともいるでしょうが、仕切り直しのためです。

ご容赦ください。

おしっこも出てスッキリしたところで再チャレンジです。

最初のうちは拒否されましたが、何度目かで口が開いて食べてくれました。

そのままリズムに乗って食べてくれましたが、半分くらいのところで

「もういらない」

と言わんばかりに上半身がテーブルの上に寝転んだので、「ごちそうさまでした」で終了しました。

最初の一口目が、僕のしつこさに利用者さんが根負けしたのか、

それとも何かのタイミングが合致したのか、正確な理由は正直わかりません。

きちんと振り返って今後の支援に役立てていきたいです。


「うまくいかない時は支援者が交代すると良いよ」と言われますが、それが出来ない状況もあります。

そんな時のために、一人で出来る交代=「しきりなおし」があると思います。

場所を変える、声掛けのタイミングや調子を変えるなど色々あります。

どの利用者さんにも効果があるのか分かりませんが、身につけておいて損はないと思います。


たまに「よく食事介助を再チャレンジ出来るね」と言われます。

僕はまだ、利用者さんの「本当にいらない」という意思表示を正確に見極めることが出来ません。

ゆえに利用者さんの「本当は食べたい」という気持ちがあると信じて再チャレンジをします。

確かにモチベーションを維持することが難しい時もあります。

でも、利用者さんが食べてくれて

「おいしい」

の一言が聞ければそれで充分です。

その瞬間の感動があるから続けられるのでしょうね。

本当にいらないと言っているかもしれない利用者さんにとっては迷惑な話かもしれませんが…



以上、人生の「しきりなおし」が出来るならば……あの時かなぁと思いを巡らせる八壁でした。