物事を伝える

屋台村が終わった直後の生活介護のお昼時間。残っていた油そばを当日来られなかった利用者にも食べてもらおうと作りました。

みなさん興味津々の様子で 早く気づいた人は欲しい様子で熱視線を送ってくれたり。大きなボウルから小分けにしてみなさんに配りました。中には自分からお皿と箸を持って来るひともいます。

一人、その様子をあまり見ることなく食べ終えて座っている方がいました 。


食べる?と、聞くとうなずかれるので、

「あっちのみずやから小皿と箸を持って来るように」と伝えました。

しばらくして戻ってくると、その方は片付けられていた弁当箱と使い終わった箸を持ってきたのです。もちろん、自分の使われた箸かどうかわかりませんが、片付ける場所は知っているのでそこから取り出したのでした。


すぐさま奥のほうにあるからと指差したり、声をかけながら再び探しにいかれました。目の前にあるのにどこかわからない様子。それに気づいた他の利用者が場所を教えてあげていました。無事に用意ができるとうれしそうに油そばを食べておられたのが印象的でした。


その時に私たちは、まだまだしてあげていることが多かったんだと気づかされました。

弁当を片付けることは日常的にできるようになっている。でもその方には、食器を洗ったり片付けたりしているなかで、物の名前や、それを置いておく位置などあまり伝えていなかったことがよくわかった出来事でした。


来週来られるときは、一緒に洗い物をしたり、食器を拭いたり、それとなく物の名前を伝えたり。次にできるようになることが増えるときっとうれしく感じるはず。そんな取り組みがしたいと思います。

川上