35年ぶりの記憶・・・

1月の終わりから、わけあって個別支援とか地域生活ということについて再び勉強を始めた。

その途中で、『こんな夜更けにバナナかよ』という本に出会った。

2005年に北海道新聞社から出版され、話題になった本だ。

書店で見ていたのに、その時はなんだかふざけたタイトルのようで素通りしてしまっていた。


ところが、この本は家族から離れて自立生活をする障害青年とボランティアとのやり取りを

自分も現場に入りながら丹念に取材をして、お互いの心理や葛藤までも描いていた。

読み進むうちに、どんどん引き込まれていく。障害青年はキンギスの患者!


35年前、大学に入学した直後、大講義室で講演会が行われた。

仙台の『ありのまま舎』の山田さんというキンジス患者の方がこられ

自立生活の話をされたような記憶がある。まだ、障害者の方のヘルパー派遣などなく

生活のすべては、何人ものボランティアの人たちが支えていた。

それ以来、この時の記憶は大学生活の一コマとして残っている。

こうした先進的な取りくみが今の障害者サービスに反映している。

その当時は、あまりにも過激と思われた考えがあたりまえになろうとしている。

そんなことを思いながら、35年の仕事を振り返って見ると

ひとつの流れになって、つながっていく。

変わり者、わがままと思われていることが

多くの賛同を得て制度となっていく・・・

そんなことを思いながら、読み進んだ。

             昨夜バナナを食べた山田