もうすぐクリスマス。
39歳になる僕は過去にあまりいい思い出がないのにも関わらずクリスマスが大好き。
11月になると、これでもかこれでもかというほど
定番のクリスマスソングがラジオや有線から流れ出す。
それがまたたまらなく気分をあおりたてる。
悲しい思い出も今となっては笑い話になる。というよりは笑い話にさせているのかも。
その何例かを紹介しようと思う。
小学校4年生の時だったと記憶する。
弟と二人、サンタさん信者だった僕らは
「どうしたらサンタさんにほしい物がもらえるか作戦」を念入りに話し合っていた。
話し合いに話し合いを重ねて出した答えが次の3つだった。
1) すべての人にやさしくなる。
2) 兄弟げんかをしない。
3) 素敵な手紙をサンタさんに書く。
プレゼント欲しさに即、作戦を決行した。
1) について・・・。
多分、周りのみんなは気持ち悪かったのではないかと思う。急に言葉遣いが馬鹿丁寧になったり、視線がキラキラモードになったりしたので・・。
2) について。
何度かしてしまいそうになったが、そこは物欲パワーが始動。寸前で何とか止めてきた。
3) について。
何度も書き直したお馬鹿な二人。
手紙の書き方の本まで引っ張り出しての念の入れよう。
二人の中では完璧な仕上がりだった。
前日の24日の夜には、天に向かって二人手を合わせた。
「サンタさん、お願いですから僕と弟にゲームウォッチをプレゼントしてください。」とお願いしをした。
遅くまで起きていたらサンタさんが帰ってしまうのではないかと、いつもより2時間早く寝た。
少し用心しすぎたかもしれないが、それほど思いが強かった。
運命の25日の朝がやってきた。
僕と弟は家じゅうの中をプレゼントがないかと探し回った。
探しても探してもプレゼントは見つからなかった。
弟は泣きだし、僕は弟を慰めながら
「サンタさんの馬鹿野郎。」
と心の中で怒っていた。悲しかった。
あれから20年。
自分の息子が5年生に。
不思議なものである。
息子も毎年、同じ対策を練りながらサンタを待っている。
僕は当時の悲しい思いを同じようにさせたくはなくて
サンタ用と親用のプレゼントを分けてプレゼントしている。
毎年のことだが、
25日の朝の子どもたちのプレゼントを見つけた時の表情は
僕たちへの最高の贈り物となる。
クリスマスまで、あと4日。
今年も見せてくれるといいな。あの笑顔を。 渡 部