現在我が家は7人家族です
いつもは老人と障害者と少し介護疲れした両親と私(なんだかとっても暗いかんじ)
今は大阪からなおが帰ってきたので我が家はとたんに明るくなりましたが・・・
なおの笑顔に少し疲れていたみんなが癒されます
老人介護を10年したのだからもし家族がそうなっても全然平気です!なんて思っていたのに実際はまったく違っていました
今までは仕事だから出来たのかなーとちょっと思ったりもします
対価として給料をもらっていたから汚物処理もおむつ交換もなんなくこなせたし真夜中の徘徊にもつきあうことができたのかも
以前は利用者さんの家族を批判するようなことも平気で言ったものです
「自分の親なのだから面倒みるのは当たり前でしょ!」
その立場にならないとわからないことっていっぱいあるんだなーと反省
夜寝れなくても次の日仕事に行かないといけないわけだしご飯の支度もしなくちゃいけない
仕事なら、一歩職場を出れば私とは関係のないことと知らんぷりもできるけど
在宅介護だとそうはいかない
この状態がいつまで続くのかと心配になったり、仕方のないことだとわかっていながらもイライラして家族に当たったり・・・家族崩壊なんてこともあり得ない話じゃない
少し前「頑張りすぎない介護」という言葉をよく耳にしました
当時はピンとこなかったけど
今は私が家族に言い聞かせています
みんなが心身ともに限界ギリギリでいては良い介護なんて出来ないし共倒れなんてことになりかねない
その家族の「介護力」というものを冷静に判断しなくては介護される方も悲惨な状態に・・・
何年か前息子が実の母親を殺してしまうという事件がおきました
認知症の母は一人にしてはおけないという状態になり息子は仕事を辞めました
収入は全く無くなりそれまで貯めていた貯金でなんとか暮らしていましたが、それも底をつき親子はにっちもさっちもいかない状態になりました
「あんたになら殺されても私はなんの悔いもないよ」
重度の認知症の母親が一瞬元に戻って息子に言った言葉でした
もうどうしようもない状態におちいっていた息子は泣きながら母親の首に手をかけたそうです
息子は相談する相手もなく介護保険制度にも無知でした
悲しすぎる事件です
今でこそレスパイトケアなんてことも当たり前になってきましたが当時はそうではなく世間では施設の利用も
責められかねない時代でした
そうやって追い詰められた末の事件に老人介護にたずさわるものとしては心を痛めました
そして時は流れて現在、認知症の疑いのある祖母を抱えて私は
おばあちゃんのためにも、家族のためにも「頑張りすぎない介護」を明るく楽しく実践していきたいと思って
います 原田