9日間のバカンス

いちねんにいちどはつづけて1週間くらいやすみをとろう、という「きまり」を職員会で提案し、ぶじに可決されました。とにかくある程度のかたまりをつづけてやすむこと。病気や冠婚葬祭という、もっともらしい理由がなくても(あってもいいけど)、ある期間を仕事から完全にはなれることはクリエイティブな精神で仕事にむかうためにも大切な体験となるはずです。

有給をつかってやすむことははたらく側からいえばあたりまえの権利ではあるけれど、つねにいそがしい介護業界、とくに「こだま」みたいなちいさな事業所では、かなり腹をきめてのぞまないとなかなか連休をとることはできません。こういう提案をすんなりみとめてくれるのが「こだま」のふところのふかさだと自慢したいとおもいます。

とはいえ、わかい職員が先頭をきってやすむのは気がひけるかもしれません。いいだしっぺとして、まずわたしがそのやすみをとりました。公休日と有給を5日つかえば9日つづけてやすむことができます。

結論からいうと、お盆や正月ではなく、平日につづけてやすむ、ということはとてもすばらしい時間でした。町はしずかだし、子どもは学校にいってるので自分だけですきなことができます。本をよんだりサイトの更新にむかったり。四国へ2泊3日の家族旅行にもいきました。いつもだといない曜日、いない時間にわたしが家にいるのでむすこはちょっと不思議そうです。旅行からかえってもまだやすんでいるわたしにたいして「きょうもこだまやすみ?」と家族がきいてきました。なんだかリストラにあった会社員が、会社をやめたのを家族にかくしてるみたいなかんじです。でも、ぜんぜん心配している様子はありません。ひょっとしてこのひとは会社(こだま)をクビになったのではないか、とすこしくらいうたがってくれてもいいのに、ともおもいました。

たかだか9日間のやすみをとっただけでおおげさだけど、とてもたのしいバカンスとなりました。すんなりみとめ、協力してくれた職場の仲間たちに感謝します。

といいながらも「おみやげかわない主義」のわたしは、やすみあけにきっちり手ぶらで出勤しました。(吉田 淳)