彼の意志

今日の夕方の出来事です。

15時休憩のときに水分補給をしようとしていたときです。

ある職員さんが利用者さんにお茶の入れ物と、紅茶の入れ物を見てもらって

飲み物をどちらにするか聞いて

回っていました。

すると大部屋の椅子からすくっと立ち上がる彼。

どうするのかなぁとみんなで見守っていくと、

台所の方へてくてく歩いていきます。

コップを見つけてじーーーっくりとみています。

振り返るとそこでもう一度、同じ方法で飲み物を聞いてみました。

そこからは職員が我慢です。

手をさしのべてあげたいけれど、彼の意思決定を待ちました。

とてもとても待ちました。

何分も待ちました。

5分くらい同じ状況だったでしょうか。

左手をお茶の入れ物の上に乗せて「お茶ください」と想いを伝えてくれたのです。

そこからは見つめていたコップをすぐに準備してお茶をそそぎ、

立ったままの状態でしたけど、お茶を飲まれました。

拍手、拍手、でした。

でもコップを離そうとはされず、おかわりを誘うと前にコップをさしだしてくれました。

おかわりください、です。

泣きそうです、、、と目をうるませる職員がそこにはいました。

そしてティッシュを何枚もとって涙をふく別の職員もいました。

2杯目を飲むと、コップをスッと離して、廊下へとこれまた一人で歩いていきました。

行き先はトイレではなく、玄関でした。

散歩に行きたい、です。

すぐにこだまの周辺を歩きにいきました。

歩いているときはとても充実した表情だったように思います。

入浴後にも職員と一緒に部屋へ移動したあと、

手を離して玄関まで歩いていく姿がありました。

夕方、おかあさんにそのことをお伝えさせていただくと、おかあさんの

目にも涙でした。

わたしたちにとって、本当に最高の瞬間でした!!

この感動、伝わりますでしょうか!!

今日一日、最高でした!

                             野津