『なんとめでたいご臨終』小笠原文雄著 小学館
母が、孫と一緒に本屋に言った際に、久しぶりに本を買った。
その母が、読み終わったと貸してくれた。
在宅医療にて、看取りをしてきたお医者さんが
そこで体験したエピソードがつづられている。
いわゆるターミナルケア、終末期医療というと
お別れが近づいていることを実感していく時期ということもあり、
誰もが悲観的になりやすい。
でも、この本には、
家族がみとったあと、ご遺体を囲み親族が笑顔でピースをして
写真をとったり、笑顔ですごした最後の数日が語られている。
本の中で、QOL(生活の質)でなく
QOD(死の方の質)という言葉を初めて知った。
最後まで、本人が望む生活をし
見送る家族も、お別れの日までのこころがまえや対応について
しるためのガイドも掲載されていた。
そうすることで、後悔のない旅立ちをする、見守ることが大切なのだと
この本をよむととても思い知らされた。
だから、別れの涙はあるものの、笑顔でいられるんだと教えられた。
それに寄り添うかたちで、在宅の看取りケアを続けている著者。
1人の人間としての尊厳を最後まで保つ関わりをしていることに他ならない。
川上