ひとのあたたかさ

先日移動支援でボウリングに付き添った。

時季もあり開店の10時には、大勢の人が待機していた。

人混みをかきわけプレイできるのか確認すると大丈夫とのこと。

団体客よりも先にはじめさせてもらえた。

まだモニターもついておらずボウルや靴をはきかえると画面がついたので

利用者さんをうながし、早速なげはじめる。


ボウリングピンが倒れる音がし始めた途端、

近くにいた男の子たちが近くに来てこちらを眺めはじめた。

ひそひそはなしているようにもみえてしまった。

当の利用者さんは自分なりに「えーい!」みたいなちょっと極端ともとれる

声を出しながらなげている。

「笑われるかもしれない」私は内心そうよぎってしまった。


こどもたちが気になりつつも。

笑われても知らん顔してればいい。

それよりも彼に笑顔でいてあげよう。

そう思って投げている様子を見守った。


3フレーム。スペアが出る。

おっ!やった!と思い手をうった瞬間、

こどもたちがいっせいに拍手をしてくれた。

その拍手に利用者さんも気づく。

なんだか得意気でうれしそうだ。


わたしもうれしくなり、こどもたちに頭をさげ一礼した。

同時に要らぬ心配をしていた自分が恥ずかしくもなる。


その後こどもたちは自分達のゲームがはじまり

集団にきえた。

利用者さんは楽しそうに投げ続けた。


街に出ていると、まったくの見ず知らずの人から

思いがけないあたたかさをもらうときがある。

いたわりやさりげない気配りはよく聞くところだが

こんなふうに同じ場所で同じ目的できている者どうしが

お互いをたたえるような場面はうれしくてしょうがない。

川上