おそうじのプロ

年末の大掃除の特集番組が片田舎では今頃放送される。

営業を何十年も続けている小さな洋食屋さんの

油まみれの店内をお掃除のプロが、

わずか6時間でぴっかぴかに仕上げる。という内容だった。


二人三脚で歩んで来た奥さんのために、

ご主人がサプライズにしたいそうで、

ニセの番組を装って奥さんだけを

外に連れ出している時間が6時間しかない。


洋食屋の厨房は長年の油が蓄積していた。

油が飛散することで、埃やちりとまざり

壁や床も真っ黒になっていた。

こんなのふつうに考えたら6時間できれいになるはずがない。

掃除のプロがいろんな機械や道具をつかって

何十年と手つかずだった汚れをみるみる落としていた。

その光景は圧巻そのもので、

こんなにキレイになるなら、業者に頼んだ方がいいなと

感じるかたも多いだろうと感じた。


そこで出て来た道具は、感心するものばかりだった。

水圧をかけ、幅広く噴射できるスプレーや

小さなブラシが汚れをかきだすような仕組みになっている取手型の

スポンジ。

お掃除のプロは、お掃除や汚れに対する専門的な知識と技術を

兼ね備えてこそ、プロフェッショナルと言えるのかもしれない。

うん。きっとそうだ。


我々だって同じだ。専門的な知識と技術を兼ね備え、それを実践できる力を養わないといけない。


6時間後、ぴっかぴかになったお店に

奥さんが戻るやいなや、あたりをみまわし、ひしひしと感激をする。

お掃除のプロもご主人の思いと奥さんのためにと

真心こめてお掃除をさせてもらったことを伝える。

その場の感謝と感動の雰囲気は、

見ているものにあたたかな気持ちにさせた。


我々だって同じだ。相手の思いをしっかりと受け止め、

誠実なサービスをお届けするようにしたい。

川上