「ゴッドファーザー」のおもいで

録画してあった『ゴッドファーザー・パート2』をみました。

なんとなくみはじめたらすごくおもしろくて、ずるずると

最後までみてしまったのです。これが3ど目なのに、

まるではじめてのようにのめりこんでみることになりました。

ロバート=デ=ニーロが演じたわかき日のビトー=コルレオーネと、

三男マイケルを演じるアル=パシーノ。

1920年代と1970年代の2つのものがたりが平行してすすんでいきます。

イタリア人街でのくらしぶりとか、家で食事をとるときに、

サスペンダーをはずしてテーブルにつくところなどが

わたしのすきなシーンです。

作品としては1作目のほうがよくしられているけど(たぶん)、

このパート2のほうだってよくみればとても魅力的な作品であり、

よくある、2匹目のドジョウをねらっただけのものではけしてありません。


この作品にはおもいでがあります。

中学生のとき、わたしはどの教科でもぱっとしなかったけれど、

とりわけ音楽はいつもきわめてわるい成績しかとれませんでした。

あるとき、音楽の宿題としてちょっとした作曲がいいわたされました。

音楽的センスがまるでないわたしにそんなことができるわけがなく、

いきづまったあげく、くるしまぎれに「ゴッドファーザー」のテーマ曲を

ほんのすこしいじって提出したのです。

担当は、いかにも音楽の先生にありがちな、クラシックこそがすべて、といった

かんじのひとで、どうしたことかわたしの「作品」に最高の評価をあたえてくれました。

だれがきいても元ネタはゴッドファーザーとわかりそうなものなのに。

素材がいいと、多少へんな手をくわえてもびくともしないのだ、

ということに、当時のわたしはものすごく感心しました。。

それをきっかけにわたしは作曲の才能を開花させ・・・というのはうそで、

ただいちどだけのよい成績、というささやかなできごとにおわったけれど。

いかにもシシリーをおもわせるあのうつくしい曲をきくたびに、

いまでも中学校の音楽の授業をおもいだします。