ポニョは大傑作である

ポニョをみる。

こころを開放され、

気もちよくなんどもわらった。

映画のおわりかたもすばらしかった。

いまではあのポニョの歌が耳からはなれない。

あの曲をきいただけでもげんきがでてくる(気がする)。


気にいった場面がたくさんある。

藤本ののるウミガメみたいな船がよかったし、

ポニョのペタペタしたはしり方がかわいかった。

ハムいりのチキンラーメンはすごくおいしそうだったし、

いっちょまえの船長さんになって

自分の船をあやつる宗介のりりしさにもまいった。

救助艇の乗組員が、自分にむかってきちんと敬礼し、

健闘をいのられることが、

海の男、お父さんを尊敬する宗介にとって

どれだけかがやかしいことだったろう。

責任感に胸をいっぱいにして

リサをさがしにいく宗介がいとおしかった。


ポニョが宗介と再会してから物語は急展開をみせる。

嵐の夜、宗介のもとにやってきたポニョを

リサ(宗介のお母さん)が

「もう大丈夫だよ、安心して」というふうに、

やさしく愛情にみちた表情でみつめる。

ポニョはおとなしく髪をふかれていた。

どこからきたとか、親はどうしてるとか、うるさいことはいわない。

宗介が大切にするものはリサも無条件で尊重する。

宗介がすき、ということだけで充分なのだろう。


職場のデイサービスセンターが気になってでかけるリサに、

宗介が「ぼくもいく」としがみつく。

リサは、宗介が家でまってくれているほうが元気がでる、と説得しつつ、

でも、そうやって自分をまもってくれようとする宗介にたいし、

「だいすき、宗介」とつぶやく。

このひとことをいってもらえる宗介は

なんてしあわせな子なんだろう。

このひとことがあれば、

どれだけすくわれる子がいるだろう。

親から肯定されるからこそ宗介はこんなにもいい子でいられるのだ。

この作品は肯定感にみちていた。

いろんなへんなことがいっぱいおきるけど、

でも人生はきっとうまくいく、

という世界観のもとにつくられた作品だ。


世界はすくわれた。

5歳の男の子にぬけぬけとこんなすごいことをさせ、

わたしを気もちよくわくわくさせてくれた宮崎さん(とスタッフ)に

ふかく感謝する。

「だいすき!」とは、

こんなにすごいちからをもったことばなのだ。