母より

この春から夢に向かって進学することが決まっていた息子が、

急に浪人をして再度大学受験をすると言い出しました。

私にとっては急な話ではあったが、

息子は「これでいいのか?」とずっと悩んでいたようでした。

自分の進路が、みんなを心配させて悲しませているのではないかと。

きっとそれだけではなく、いろんな不安な気持ちがあったのだと思いますが。

厳しい世界に飛び込んでいくことに、

親以上に周りの祖父母は心配していたようで、

浪人の話が出たときはなぜかみんながよろこんでいました。

隣の奥さんは涙を流して「よかった、よかった」と。

こんなことになるのなら、進路を決める段階で反対すればよかったのかもしれませんが、

自分の人生、自分で選択し責任をもつべきだと思っていました。

この先の人生の選択も、とやかく言うつもりはありません。

自分で決めた道をしっかり歩いて欲しいと思っています。

しかしながら今回のことで、息子がこれまで周りのひとたちに、

いかにかわいがってもらって育ってきたかを、

ちゃんと分かっていたということを感じることができて、

親としてはうれしい限りでした。

どんなときでも大事にして欲しいのはやさしさと感謝の気持ですから。

さて、母としてできることは、毎日学校に持って行く弁当を作ってやることだけ。

なのにその弁当作りにちょっと疲れてきた、頼りない母なのでした。

くぼた     明日は新見さんです