映画の決め手

先日、とあるビデオ店に寄りました。

無性に映画作品が観たくなったのです。


現在、僕の視聴するDVD作品の決め手となるテーマとは

ズバリ

「全く興味を惹かない、いや、絶対、見たくない作品」

であります。


僕の苦手な映画のジャンルといえば

ホラー、サスペンス、ミュージカル等であり、反対に好きなジャンルは

アクション、ファンタジー、コメディー、アニメ、伝記物です。

最近はビデオ大賞やレンタルベストテンというコーナーもあり

作品ごとにスタッフの一言コメントがあるおかげで作品選びがしやすくなりました。

そこで、今回はスタッフコメントのうちで一番胸を打ち抜かれた作品を借りる事に決めました。

とはいえ、作品数は膨大な数にのぼります。

気合いを入れ直し、一作品ずつコメントを読み返していました。それから10分後・・・・。

「見ると必ず後悔します。これでもか、これでもか!と言わんばかりの悲劇の連続。

 心が弱っている時には絶対にお勧めできない作品です。

 でも、見終わった後に、必ず、また見たくなる作品でもあります。」

と衝撃的なコメントに出逢えました。まさに、僕の胸にズキューンです。


その作品とは

ダンサー・イン・ザ・ダークです。

2000年のカンヌ映画祭パルムドール作品であり

主演はアイルランドの人気シンガーのビョーク

監督は奇才ラース・フォン・トリアーです。

内容は

アメリカのとある田舎を舞台に

  チェコから移住して来た主人公の女性が

   迫り来る失明という先天性の病気と闘いながらも

    同じ先天性の病気を持つ息子を守る為に

     地域の友人に支えられながら必死で生きている。

      し、しかし、次から次へと起きうる不幸、そして別れ

       なぜ、人はつまらない欲望の為に平気で大切な物を投げ捨ててしまうのか?ー

僕のイメージではこのような内容となります。


見終わった感想は

世の中の現実にキチンと向き合った名作だと思えました。

正直、スタッフコメントが指摘しているように

後半から主人公をこれでもか、これでもかと襲う不幸シーンの連続で

さらに最後があまりにも衝撃的すぎるシーンであり

複雑で悲しい気持ちになってしまうのも確かです。


でも、何と言うのか、監督は興行収入目当ての現実逃避映画ではなく

『希望』を信じてほしいというメッセージを

等身大の人間の心理と現実の社会を通して訴えていました。

僕にはそれがよく伝わりました。


人間はやさしい。

でも自己中心であり、ある欲求には勝てず

時にはすべてを失うことも恐れずに欲求に向かって暴走を起こしてしまう。

優しいだけでは、世の中の意地悪な悪人には勝てない。強くもなければいけない。

でも、そう簡単には強くはなれない。

ただ、一生懸命に生きている人には、誰もが惹かれ、優しさを分け与えてくれる。

いや、自ら手を差し伸べてくれる。

現実から目を背けるな!でも希望を失うな。


そんな監督の優しくて、そして強いメッセージが僕の胸をズキューンと打ち抜きました。

「絶望」と「希望」の狭間でもがき苦しんでいる人をこの世の中に埋まらせてはいけません。

みなさんにも必ず存在する太陽のような優しさを呼び起こしませんか?

自分の中から何かが変わるはずです。

そんなヒントをこの映画から得たような気がします。


                                 渡部


次は焼そば大好き男 田崎さんです。