歴史から学ぶ前に・・・

先月に起きた「韓国フェリーセウォル号転覆事故」


一ヶ月以上経過した現在でも世界中から大きな注目を浴びています。


事故が起きた理由としては

1権限が大統領に一極集中している為に指揮命令を現場が事故直後にできなかった

2あらゆる要因による初動救助の遅れ

3海洋警察の水難に対する専門性の欠如(韓国の教育制度がもたらしたもの)

4経済政策の一環として規制緩和による弊害

派遣社員制度導入による社員の業務に対する責任意識の低下(お客様第一主義や愛社精神欠如)

・品質・安全第一主義から利益第一主義への方針転換による弊害(旅客船の使用年度の延長等)

事故後に大きな問題が次々と明らかとなり

被害者家族や国民から一斉の避難を浴び

大統領の責任問題にまで発展するという異常事態となっています。


ただし、僕たち日本人も人ごとではありません。

上記の予測される事故原因については

過去の日本で起きた自然災害や企業事故において重なる事象が多々思い返されるはずです。

いや、気づかなければいけないと僕は思います。


傾いている船室の窓から必死に助けを求めていた生徒に対して

何も出来ずにその状況を呆然と見守っていた隊員たちの光景を想像しただけで心が苦しくなります。

船内に閉じ込められた生徒たちの恐怖と絶望感

助けたいけど何も出来ない隊員たちの無力感と自責の念

なぜ、このような事が起きてしまったのか

当事者の気持ちに経って考えれば悔やんでも悔やみきれません。


「歴史から学ぼう」


僕は以前、このワンフレーズが気に入って、節目節目で人生教訓として使っていました。

しかし、今回の事故から気づかされたのです。

この言葉を今まで軽々しく使っていた自分がとても恥ずかしく、そして腹ただしくなりました。

何が「歴史から学ぼう!」なんだと


尊いいくつもの命」が奪われてからでは遅いのです。

その前に気づいて対策を瞬時に講じ、そして命を守る。

そのぐらいの気合いと覚悟が必要です。


幼い子どもの命と引き換えに大切な事に気づくのでは遅いんです。代償が大きすぎます。

何が「歴史に学ぶ」かです。


大切な人が悲しい思いをしている姿を2度と見たくないです。

では何をすればいいのか?

その都度考え、実際に行動ができる人間になれるように前を向いていきます。

がんばります。

                                 渡部でした


次は田崎さんです。