イスにまつわる話をしようと思ったら、利用者の顔が浮かんだ。
いつもふらふらしていて何をしてよいかわからずにいた利用者が、最近よく座って待つようになった。
いつも同じ場所に座っていた利用者が、人の集まる机に移動していたりする。
定位置が決まった利用者は安心してお昼ご飯を食べるようになった。
オセロを楽しむ人が出てきた。
生活介護の通称「大部屋」は数年前に比べて
整然として、とても「座りやすく」「くつろぎやすい場所」になってきたなあと最近感じている。職員もそこで過ごすことが多くなった。
これからもっとここが「憩いの場所」になっていってほしいと思う。
振り返れば、いつもせわしなく動いていたのは私たち職員だった。
「ちゃんと座ってね」と言っている職員が立っているのだ。
なんともこっけいな状態だといまさらながら気づかされる。
活動中の職員の動きを振り返り、役割を明確にし、環境を変えていくことで
ずいぶん改善されてきたように思う。
今ではできる限りのんびりとイスに腰かけて、みんなで談笑するようになった。
自分の支援や技術がまだまだだという認識。
でも、少しずつではあるが、変わってきたという事実。
それを証明するかのように、ここでみんなと過ごし、活動することがとても楽しく感じる今日この頃。
明日も楽しみだ。川上