いす・・・7

私の家の台所にはテーブルがある。もちろん椅子も4脚ある。

座っているのは私(身長約170センチ)、長男(150センチ)、長女(140センチ)、二男(130センチ)。

二男には、ちょっとその椅子はあっていない。したがって、テーブルまでの距離が遠い。

二男の食事の際の行儀が悪いのはそのせいでもある。

何とか行儀よく食べてもらおうと、今は使わなくなった車のジュニアシートを椅子の上において、高さを確保した。こうすることによって、茶碗などを手に持って食べるように仕向けた。

しかし、新たな課題が・・。

ジュニアシートを置いたことで、足がフリーになってしまった。食事中に足をぶらぶらさせ、お姉ちゃんに足をぶつけ、言い合いになっている。

この問題に関しては、その都度注意をして、やめるように言うことにした。



さて、日中の生活の場ではどうだろうか。

いろいろな方がいて、椅子ひとつ座る姿も千差万別である。

あるとき、作業にある利用者の方とほぼ一対一でかかわることがあった。その方は、紙やすりで木を磨く作業だった。一緒にやり始めるとすぐに違和感を覚えた。何だか力が入っていない・・。

まずは補助具を準備して、作業に入ってもらった。しかしまだ、力が入っていない。

椅子が低くて、テーブルが高く、手の力だけで磨くようになっていたからだ。

テーブルは低くすることができなかったので、私は、少し高めの椅子を用意してそちらで作業していただいた。見た感じ、もうちょっと高いほうがよさそうだったので、座布団を敷いて少し高くしてみた。

その後その利用者の方は、楽しそうに作業されたことを覚えている。


たかが椅子だが、低すぎるとテーブルまでの距離が遠くなって力が入らない。かといって、高すぎると地面から足が離れて不安定になる。その時は、下に台を置いて足を安定させるといいのかもしれない・・。

椅子ひとつでも、高さを変えることによって使いやすさが増していく。

その使いやすさを求めて、まずは自分がその椅子に座って感触を確かめて見ようと思う。すると新しい発見があるかもしれない。その考えで明日は違う椅子に座ってみようと思う。


田崎