「きく」という姿勢
先日研修をうけました。その中で印象的だった「傾聴」について紹介します
福祉業界ではかならず「傾聴」という支援やかかわりの中でのキーワードがでてきます
以前、支援の話を職員としていて、ふと気になって「傾聴って知ってる?」と伝えたところ、「ケーチョー?」「なんですかそれ?」と返答があったことを思い出しました。今はすでに傾聴をして仕事に取り組んでいます。
なかなか説明のしにくいことかもしれませんが、研修の講師がふつうの「聞く」と「聴く」についてとてもわかりやすく説明してくれました。丸々言われたことは覚えていないので、私の言葉も交え紹介します。
「聞く」とは聴覚が音として認識しているものをきくこと。
人とのかかわりに於いて言えば、自分の意に反しているもの、もしくはきこうとしていないものに対して、きいているという状態を指すのだそうです。
漢字が示すとおり「門をかまえてきいている」、つまりイスの背もたれに背を預け聞いているような状態なのだそうです。
そう考えると「きいてやるぞ」「なにをいうんだ」そんな上から目線の、横柄な態度が目に浮かんでくることでしょう。
だから自分の意見や気持ちに反している言葉であれば、すぐに「いやちがう」と返答したり、相手の言葉を最後まで聞かずに「それはね・・」と口を挟んでしまうことが多いとのこと
こうなってしまうと相手は二度と本音をいってくれなくなるかもしれません。
一方の「聴く」とは、物音、言葉を注意深く聴くことを指します。これは、自分にとって必要なことはもちろん、相手の言葉であれば「あなたのことばを私はきこうとしている」という姿勢をさした言葉です。
イスに座っていたとしたら、身を乗り出し、言葉や音をききにいこうと前にからだを出している姿勢こそが「傾聴」だとのことです。(じゃあ前のめりになってさえいれば、それで「傾聴」と言えるのかともちろん言われればそうではないのですが・・)
そこで必要なのは「その言葉から、あなたは本当に何を感じ、私に何をつたえたいのか?」を感じることなのではないでしょうか。
だからこそ「傾聴」が我々のような人と人がかかわる仕事をしているものであれば、必要になるのです。
自分の考えを押しつけるのではなく、相手の気持ちを尊重し、まとまらない気持ちを要約したりし、まずは共感していることをつたえることが必要なのだと思います。
もちろん、言葉だけでなく「傾聴的態度・姿勢」も必要になるのです。視線が何をいっているのか、表情は? 呼吸は?
楽しい?うれしい?悲しい?つらい?
そうなんだ!と気づける瞬間に立ち会うこと、いろんなことをよみとる力を日々みにつけたいと思うのです。
川上