「サンタクロース」

もうすぐクリスマスがやってくる。

我が家の子どもたちの間でも

「今年はサンタさん、何をプレゼントしてくれるかな?」の話でもちきりだ。

その様子を微笑ましく眺めている。


ふと、撲の子ども時代のクリスマス時代を思い浮かべてみた。

すると、まず、想い浮かんだ光景が映画「サンタクロース」のシーンだった。

確かに僕は中学生の時に友だちと

「サンタクロース」という映画を見に行っている。


昔は映画といえば同時上映がつきもので2作品見る事が出来た。

当時、松江市には確か4館の映画館があったように記憶する。


天神ロータリーにあった松竹第1中央。蒲鉾形の映画館だったので印象が深い。


伊勢宮にあった松竹第2中央。よく「男はつらいよシリーズ」が上映していた。

「今もあれば、絶対飲んだ後に映画に行くのになあ。」と

伊勢宮へ飲みに行くたびに思う。


松江やよいの横にも東映系列の映画館があった。

確か、相米監督、薬師丸ひろ子主演の

大ヒット映画「セーラー服と機関銃」を見た記憶がある。

その後に行った初めてのケンタッキーフライドチキンの味が忘れられない。

当時は天神町商店街にあった。丁度、天神まめな館あたりにあったような気がする。

さらに、つるやマーケットもその向かい側にあった。

僕はその玄関先に設置してあった半円柱型のジュース製造機が大好きだった。

円柱型の蓋にオレンジジュースが勢いよくぶつかっていた光景は美しく

「ジュースが飲みたい!」意欲を掻き立てた。


昔の松江中心街の風景は味わい深く、思い出すだけでも胸が躍る。


話を戻そう。

第4番目の映画館は、僕の一番お気に入りだった松江国際。

ここで僕は「サンタクロース」を見た。

本来の目的は、当時の日本では圧倒的な人気を誇っていた

カンフースター「ジャッキーチェン」主演の「香港国際警察」だった。

香港国際警察」も最高におもしろかったのだが

「サンタクロース」はそれ以上に僕の心を躍らせてくれた。

(こんなワクワクした感情は初めてかもしれない。)と思えるほど、気分が高揚した。

あの時代、映画に行くことは最高に贅沢な余暇だった。

年に1回行ければ良い方だった。

しかし、その分、映画館に行ける喜びは半端ではなかった。

前日はあまりにも興奮して眠れなかった。


「サンタクロース」は僕にとって最高のSFファンタジー映画となった。

あのときめきはどんなに歳をとっても持ち続けたい。


そういえば、最近、映画館に足を運んでいない。

今度の休みに一人で映画を見に行こうと思う。    渡 部