ブータンから学ぼう
先々週来日されたブータンのジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王が
今、撲の中では一番旬な人です。
テレビからではありますが
彼のたたずまいから
一瞬にして恋に落ちてしまいました。
というのはジョーダンですが
気になる存在になった事は間違いありません。
彼の母国であるブータンについては
(ブータンでは輪廻転生の教えから家族を含めすべての人間が
あらゆる生物に姿を変え再びこの世に生をもつという考えが浸透している為
蚊一匹たりとも殺生はおこなわない国民が多く存在する世界一治安の良い国)
というような内容がある本に書かれていました。
その程度の知識しかなく
過去の歴史や文化、日本との関係等、重要な国家情報については全く知りませんでした。
とにかく、その時の印象としては
「理想の国だなあ。」と感銘したことを覚えています。
その時の印象が国王の姿を見る事で再び呼び起されたようです。
瞬間スイッチが入った僕は早速、インターネットでブータンについて調べてみました。
そこで一番興味をいだいた内容というのは
ブータンの開発の原則として,国民総生産(GNP)に対置される概念として
国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)という概念を提唱しているという事でした。
経済成長の観点を過度に重視する考え方を見直し
(1)経済成長と開発
(2)文化遺産の保護と伝統文化の継承・振興
(3)豊かな自然環境の保全と持続可能な利用
(4)よき統治の4つを柱として,国民の幸福に資する開発の重要性を唱えている。
というまさに僕が理想と掲げていた国家像に当てはまる内容でした。
「ブータンでくらしてみたい。」
と一瞬にして強い衝動に駆られました。
この国家概念は
本来ある日本人の価値観と非常に近いものがあるような気がしています。
ブータンに対して親近感を覚える日本人も多いのではないでしょうか。
実際、1986年の外交関係樹立以来,日本とブータンとの関係は
皇室・王室間を含む要人の交流,経済協力等を通じて友好な関係を構築してきたそうです。
また、日本人とブータン人は,外見,性格とも非常に良く似ていることもあり
お互いに好意的であるという記事が載っていました。
一番最初にブータンへ農業開発指導に派遣された
故人西岡京治氏に至っては(国際協力機構(JICA)派遣専門家)
現地の教科書に紹介されるほど国民から称えられる存在です。
戦後、諸外国から輸入された競争原理や市場主義思想の感染拡大により
失われた日本人の心を
国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)というブータンの概念から取り戻せる気がします。
ブータン国王の発するやさしく、温かく、そして強いオーラが
何かを教えてくれたはずです。
僕にはわかりました。
渡部