理想郷のような「陽なた」の支援

境港市の児童発達相談センター

「陽なた」(ひなた)を

見学する機会をえた。

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「陽なた」につくと職員の竹内さんが

ものすごくあついおもいをこめて

事業内容とじっさいの活動を説明してくださった。

境港市は療育ネットワークがよくととのえられており、

診断がすぐにきめこまやかな支援につながっている。

「陽なた」から保育園や幼稚園に療育指導にでかけるし、

就学時には必要な情報を

必要な機関へつたえるしくみができあがっている。

保育園や小学校にとって、

すぐに相談にのってくれる「陽なた」は

とてもありがたい存在だろう。

こんなちかくにこんなすごい内容の支援を

している機関があったことにおどろきながら、

わたしたちとのレベルの差をおもうとがっくりもした。

真に専門的な支援とはこういうことをいうのだ。


「陽なた」は児童デイサービス事業所でもあり、

発達検査で子どもたちの状況を客観的に把握したうえで

実際の指導をおこなっている。

3~6ヶ月ごとにプログラムの達成度を保護者といっしょに確認し、

必要があれば変更をくわえていく。

いっけんあたりまえそうだけど、

それを正確な知識のもとにおこなっている事業所が

どれだけあるだろう。

わたしには、「陽なた」のとりくみが

すべてにおいて理想的なすがたをしめしているようにおもえた。


ひととおりの説明のあと、

プレイルームをみせてもらう。

ひとりひとりのスケジュールが

その子のすきな色とすきなキャラクターで

入口にはりだされており、

子どもたちは移行カードを手がかりに

課題にとりくんでいく。

課題はそれぞれの子の実態にあわせてあるので

とまどうことがない

(教材おきばには、

子どもたちの気をひくたのしそうな教材が

どっさり用意されている)。

はじめの1,2回、職員が手つだうだけで、

ほとんどの子どもたちは

スムースにうごけるようになるという。

課題がおわるとあそびやおやつがスケジュールにしめされて

子どもたちへの動機づけとなっている。


いぜん見学させてもらった豊川市の「NPOゆう」もこうだった。

大人の指示がなくても

自分のスケジュールにそって

とまどわずに課題をこなしていく。

スケジュールと空間がちゃんと構造化されていたら、

発達障害の子どもたちも

必要なスキルをどんどん身につけることができる。


境港市では、ほとんどの発達障害の子どもたちが、

特別支援学校にすすまなくても

普通学級で対応できるている、

と竹内さんがはなされる。

それをきいたわたしがすごくおどろくと、

「ふしぎなんですけど」と

あくまで謙虚な竹内さんは

自分たちの成果をほこることはない。

幼児期に適切な支援をうけることで、

子どもたちはそんなにもおちつくことができるのだ。

発達障害については「こまっている」はなし

ばかり耳にするのに、

境港市はまったくそうではない。

それにしても、週に1回、1時間の個別指導で

これだけの「成果」をあげるなんて、

「陽なた」のとりくみはどれだけすごいのだろう。

「陽なた」とのであいを

なんとかしていかしたいとおもう。

(吉田 淳)