リスクをおかして挑戦すること

W杯日本代表は、ご存知のとおり

カメルーンに1ー0でかち、

オランダには0-1でやぶれた。

かたちのうえでは接戦であり、

1次リーグ突破にむけてわるくない状況といえるかもしない。

でも、わたしはなんだかさめた目でみてしまって、

気もちよく応援できなかった。

どうしてもオシムさんがよくいっていた「リスクをおかしてせめる」

サッカーが頭からはなれないのだ。

監督がかわったのだから、

戦術もかわってあたりまえなのはよく理解している。

ないものねだりをしているつもりはない。

でも、岡田監督だって「世界をおどろかす」

といっていたのではないか。

4位になって「おどろかす」のではなく、

日本らしいサッカーをしておどろかしたかったはずだ。

それなのに本大会前直前になって、

通用しそうにないからと、ずいぶんあっさり

(リスクをおかさず)方針をかえてしまった。

プレッシャーをかけ、ボールをキープし、

日本人の特性をいかすというサッカーは、

そんなに簡単に手ばなせるものだったのか。

いまの代表チームの実力からみちびきだした

最善の戦術なのかもしれないが、

わたしにとって魅力のあるものではなかった。


北朝鮮がブラジル相手に前半をあぶなげなくまもりきったように、

サッカーはまもろうとすれば

かなりちからに差があってもある程度のことができるスポーツだ。

ただ、それをやることが、その国らしさ、

そのチームらしさをいかしたサッカーかがとわれてくる。

みんなほんとに「とにかくかてればいい」

とおもっているのだろうか。

このサッカーで運よくグループリーグを突破したとしても、

それで日本らしいサッカーをしたと胸をはれるのだろうか。

(吉田 淳)