「僕の生きる道」
久しぶりに昔の懐かしいドラマが見たくなった。
「僕の生きる道」というドラマだった。
この話の内容はというと
将来のことばかりを考えて堅実無難に28年間を過ごしてきた
私立高校の男子教師「中村」が、余命1年を宣告されてからの残りの人生を
葛藤を繰り返しながらも「生きる」すばらしさに気づいていくというヒューマンドラマだ。
「1分1秒を大切に生きる運動を推進中」の渡部家にとっても
うってつけの教材となると考え、子どもたちにも勧めてみた。
最初は「え~見るのー。」といった消極的な態度だったが
回を追うごとに真剣な眼差しに・・。後半からは興奮して見ていた。
「これはチャンス!」と【1分1秒】の話をしようとすると
苦笑いをしながら
「お父ちゃん、もうその話はいいけん。聞き飽きたわ。」と返され
思わず自分でも「エヘッ」と噴出してしまった。
「ちょっとしつこかったかな。」と反省する親父であった。
草なぎ君は偉大な俳優だと思う。
完全に役柄になりきっていて、僕の場合、自然と感情移入してしまう。
主人公「中村先生」の喜怒哀楽が直に心に響いて知らぬ間に同じ気持ちにさせられる。
多分、僕だけではないと思う。それほど、名演技だと感じた。
余命1年を宣告された直後の中村先生の恐怖感に襲われた瞬間や
「何で自分だけ?」という世の中に対しての絶望感。
また、矢田亜希子演じるみどり先生との出会い
周囲の人たちからの言葉やある出来事をきっかけとして
素直に恐怖を受け入れながら前向きに生きていこうとする気持の変化等が
ダイレクトに伝わってきた。
気がつけば涙が・・・。僕はめったに泣かないのだが
今回は何度も涙があふれてきた。
すると、自分の人生のワンシーン、ワンシーンが
次々と浮かんでは消え、浮かんでは消え、
なぜだが心に不思議な心地よさを感じていた。
「楽しく生きればいいじゃないか。できるだけ笑顔で、そして穏やかに」
と自然と芽生えてきた気持ち。何だか心が暖かくなってきた。
時には涙するのもいいものだ。
涙すると、自分にも、そして他の人たちにもたくさんやさしくなれる。そんな気がした。
渡 部