本当の支援者とは

前回のブログでも書きましたが、先日の4月8日(土)に自閉症支援専門機関として多くの実績をあげているNPOそれいゆ主催の初心者コースに川上さんと参加してきました。

冒頭あいさつにおける腹巻氏の「日進月歩で解明されてきている自閉症の情報を、誰かが伝えていけないといけない。今までは、多くの支援者が自己満足やお金もうけのために、いい加減な支援を行ってきた。それではいけない。多くの自閉症者、そして多くの家族が不幸に陥らないためにも、支援員は常に勉強を行い最新の情報を得てみんなに伝えなければいけない。そうでない者は、この世界から去るべき。」と話され、大きな衝撃と共に、「自分は本当に支援者としての役割を果たしてきたのだろうか?」と考えさせられる良い機会となりました。

当日の腹巻氏は咳き込む場面が多々あり、相当体調が悪い状態でこのセミナーに参加。その姿を見て、「もう無理しないで休んでほしい。しかし、どうして、ここまでして彼女は講義を続けられるのだろう。」という思いで胸がいっぱいになりました。4時間足らずの講義時間でしたが、その理由がセミナー終了後にはよく理解できました。


腹巻氏は学生時代から、多くの自閉症者、そしてその家族とボランティア活動を通じて交流を深め、その後も養護教員時代、イギリス留学時代を経て、現在に至るまでの30年間近くもの間、自閉症の支援活動に心血を注いできた自閉症分野のスペシャリストです。一人でも多くの自閉症者とその家族を幸せにすること、また一人でも多くの支援者を育てることを、自分の使命として生きているのだという強い覚悟を私は感じました。

今回の講演後、私の心に特に強く残った言葉があります。それは「支援者」という言葉です。腹巻氏が一番、私たちに伝えたかったことは、この言葉だったような気がします。「あなたたちは、本当に支援者ですか?自閉症児・者やその家族の支援者ですか?どうか、このセミナーをきっかけとして、本当の支援者となって下さい。」と問われているような気がしました。

私は支援者なのでしょうか?自分では関わらせていただいた利用者全ての人たちに全力で支援していたつもりでしたが、腹巻氏の話を聞いていくうちに、自信がもてなくなりました。

自閉症の歴史、自閉症の特性、行動分析学、脳生理学とあらゆる知識を自費と限りない時間を投じて習得し、確信を持って数々の問題行動や多くの関係者の苦悩を解決された腹巻氏の実績を、また腹巻氏の心の叫びを聞き、そう感じた私でした。


この貴重な出会いと経験を無駄にしないように、やるべきことを確実にやりとげたいと思います。私はこの仕事が大好きです。だからこそ、本当の支援者としてみんなに認めてもらえるように、この仕事が一生続けられるようにがんばりたいと思います。

                                   

                                                  渡 部