脳科学から教わったこと

最近、脳についての本に興味をいだくようになりました。きっかけは、「脳科学発達障害」という本を読んだことです。専門用語が多く、おんぼらとしか理解できなかったのですが、「おっ!」という感覚が残り、「もっと知りたい」との欲求が芽生え、初心者向けの本を探しました。みなさんもよく、図書館や書店で目にすると思うのですが、ナツメ社出版の「図解雑学シリーズ」の「よくわかる脳のしくみ」を買いました。するとこれがおもしろい。「脳と神経」や「脳と心」等、人間のからだ、及び、能力と脳との重要な関連性について、わかりやすく解説しています。この本を読み終えて、再び「もっと脳科学について知りたい!」という欲求にかられました。脳科学と言えば、茂木健一郎氏です。何冊か借りて読んでみました。その中でも、「感動する脳」(PHP研究社)がおもしろくて、早速、購入しました。


例えば、このような文面があります。

「脳の持つ潜在的な可能性というのは、本当にすばらしいものがあります。自分はどうせ平凡な人間だ。大した能力があるわけでもない。そんなふうに勝手に思い込んでいる人を見かけますが、何ともったいないことだろうと思ってしまいます。せっかく持っている脳の可能性を使おうともせず、始めから諦めてしまっている。もっと自分を信じること。いや、大きな意味で人間の脳というものを信じることです。」

「脳の神経回路というのは、使えば使うほど強化されるものです。たとえば数学者ならば、日々数学の問題を考え続けているので、数学に使う回路が強化されます。毎日文章を書いている小説家は、文章を書く回路が活発に働くようになる。そしてこのメカニズムは、同じようにネガティブな事柄まで学習してしまうのです。」

「ネガティブな感情にばかり囚われて、脳の回路が負のスパイラルに陥ってしまう。そこから抜け出すためには、ポジティブな経験を増やして正の回路を強化していくしかありません。とまあ、言葉で言うのは簡単ですが、実際にその一歩を踏み出す勇気が持てないのが人間でもあります。 ―略- 最初の一歩さえ踏み出すことができれば、どんなネガティブ脳もポジティブ脳に変えることができます。しかしその一歩を不安というものが邪魔する。そしてこの不安という感情は、すべての脳にくみこまれているものです。

 生きていくということは、常に不確実性の中に身をおいているということです。先に何があるかわからない。先に何があるか予測できない。まさに人生は不安との戦いです。人は誰しも失敗することが怖い。先に進んで失敗するのなら、今のままでもいい。そういう気持ちがどこかにある。しかしそれでは生き生きした人生は歩めません。」

「やはり大切なことは、地道に一歩一歩進むことです。自分の欠点を少しずつ克服しながら、小さな成功体験をたくさん積み重ねていくこと。」

等、共感と明るい希望が見出せる言葉がたくさんでてきました。


前回のブログに書いていたのですが、僕はある本に出合うまでは、「自分は大して能力がない。頭は悪く、不器用で、何も出来やしない。」とネガティブな考えをする人間でした。しかし、その本に出合ってからというもの、「頭が悪いとか、不器用だというのは、自分が不安の壁を越えるのが怖いから、その為の言い訳なんだ。一歩踏み出せば、何かがかわるし、まずは、行動をおこすことだ。」という考えに目覚め、今にいたります。未経験の事にチャレンジすることは、相当な勇気がいりますし、その度に「やりたくない。怖い。めんどくさい。」と思ってきたのですが、「もっと自分の存在価値を高めたい。」との強い欲求をいだきつづけることで、果敢にチャレンジしてきました。結果はというと・・・・。他者の方々はどう評価されるのかわかりませんが、自分としては心は満たされています。多くの経験を積むことで、多くの自信を得たような気がします。

脳科学の本から、多くの謎が解き明かされた気分になり、スッキリしました。一番の収穫は、脳科学から、子育て及び障害者支援について貴重なアドバイスを受けたことです。自分の生き方についても、少し自信をいただきました。

ただし、最近は、あまり積極的なチャレンジができていないように思います。正直、「現状のままでいい。」という、守りの姿勢に入ってきています。本当に情けない話です。

現状の自分の能力以上の目標を持って、もっともっと自分の存在価値を高められるように果敢にチャレンジしていこうと思います。

                                                               渡部