生まれ故郷へのおもい・・・。

 自分は根っからの文系人間(外国語除く)だと悟ったのは、小学校の4年生のときでした。

それ以来算数、数学は苦手を自負し、もっぱら自分の好きな地理や歴史に興味を広げていきました。

とは言っても、何かを徹底的に調べるとか研究するとかまではいきません。学校で習う程度のことです。

 高校2年の日本史の時間に幕末に『隠岐騒動』という事件があったことを知らされました。

あまり知られていませんが、隠岐の農民によって松江藩の役人が隠岐から追い出され自治政府が作られたというのです。

わずか100日程度だったようですが、パリコミューンよりも以前のことだと知らされました。

そしてその指導者の人たちが実に身近な人たちだったので、より興味を持っていました。

 その後、社会人になってから隠岐騒動を題材にした本が出版されるたびに

手に入れて読んでいました。自分が育った家の近くでその当時の農民たちが相談をし、

鍬や鎌や竹槍の武器を持って、自分が高校に通った道を走って向かったようです。

そんな事実を知るだけで、胸がドキドキしてきます。

 自分の先祖は、このときどのような働きをしたのだろう。

とワクワクしてくるのです。でもそれまでで積極的に調べて見ようとはしません。

こんなところが、大成しないところなのかも・・・。

 1ヶ月程前の中央新報の本の紹介欄に「隠岐共和国ふたたび」という本の紹介がありました。

書いたのは、隠岐にいるとき懇意にしてもらっていた公民館職員の弟さんでした。

何か気になったので求めて読んでみると、彼もやっぱり『隠岐騒動』に興味を持ち

その後の自分のライフワークの中に位置づけ、関係者を訪ね話を聞き、関係場所を訪ねています。

その様子が熱く書かれていました。自分にはない情熱・・・。

彼ほどの情熱があったらなーと思い、

生まれ故郷への郷愁を少しかんじ、以前求めていた『隠岐騒動』の本を

老眼鏡をかけて読み直しています。

                    隠岐生まれの山田